医業支援のほか調剤薬局を展開する総合メディカルは、今期からスタートする新たな中期経営計画(11年4月~14年3月)を策定した。新中計では、「DtoD(医業継承・医療連携・医師転職支援システム)」と「価値ある薬局」を柱に、地域のヘルスケアネットワーク作りに注力。3年後の14年3月期の連結業績目標として、売上高1000億円、経常利益60億円を掲げた。このうち、全国で「そうごう薬局」を運営する主力の調剤薬局事業では、店舗数を現在の約1・5倍の500店(11年3月期末時点で328店)に拡大し、“店舗数でのナンバーワン”を目指す考えだ。
11年3月期の連結業績は、薬局の新規出店による増収効果が大きく寄与。売上高は727億8900万円(前期比3・4%増)、営業利益は41億4800万円(26・9%増)、経常利益は42億1200万円(27・7%増)、純利益は21億6700万円(40・6%増)と、増収増益となった。
医業支援事業では、医師転職支援(非常勤・アルバイト)件数および開業支援件数が増加。新たな医師との接点が増えた一方、紹介フィーの大きい常勤医師の支援件数が減少するなど、コンサルティング(DtoD)の減収で、売上高は6・8%減の186億3100万円だった。
薬局事業は、DtoDとのシナジー効果などで、調剤薬局の新規出店が加速。新規36店舗、M&Aによる10店舗を加え、計328店舗(OTC店舗4店を除く。医療機関の移転などで閉店は5店舗)となり、売上高は8・0%増の529億1600万円。店舗のエリア別内訳は、東日本130店(北海道13、東北14、関東55、中部48)、西日本68店(近畿20、中四国48)、九州130店。
今期の連結業績としては、売上高が11・1%増の808億3800万円(医業支援211億0400万円、薬局586億2900万円)、営業利益46億4000万円、経常利益46億5800万円、純利益25億3800万円を見込んでいる。
新たに策定した中計のタイトルは、『「DtoD」と「価値ある薬局」で、魅力ある企業への成長をめざして』。地域医療がどうあるべきかをテーマに、14年3月期までの3年間、全社を挙げてヘルスケアネットワーク作りに取り組む方針。新中計を推し進めることで、長期ビジョンの「日本型ヘルスケアビジネスの確立」を目指す。
主な数値目標としては、14年3月期までの3カ年で、「DtoDでの開業支援件数」750件(11年3月期で147件)、「薬局の店舗数」500店を掲げた。DtoDでは医療モールや継承開業を支援し“開業支援でナンバーワン”に、「価値ある薬局」では“店舗数ナンバーワン”になることを目指していく。このほか、医療を運営面からサポートする運営受託の拡大や、介護事業へのチャレンジなど、新たなビジネスへの挑戦も掲げた。