ゼリア新薬は27日、都内で開いた決算説明会で、2011~13年度までの3カ年中期経営計画を発表した。新中計は、市場環境の激しい変化に対応するため、これまでの5カ年から3カ年に変更。中計期間をグローバル企業としての基盤作りと位置づけ、最終年度の13年度に、売上高665億円、海外売上高比率15%を目指す。
新中計で医療用医薬品事業は、潰瘍性大腸炎治療剤「アサコール」の売上拡大、自社創製品の機能性ディスペプシア治療剤「Z‐338」(予定製品名:アコファイド)の国内上市と欧米ライセンス先の決定を実現し、売上高約400億円の達成を打ち出す。
主力の「アサコール」は、医療用医薬品事業の柱と位置づけ、早期に国内市場シェア50%を獲得すると共に、ティロッツ社の欧州自販地域の拡大を進める。特に国内では、1月に14日間の投薬期限制限が解除されたことから、伊部幸顕社長は「制限解除後1年目の今年が大事な年。思い切ってダッシュを図り、11年度にシェア50%に近づけるか挑戦したい」とシェア獲得に意欲を示した。
また、自社創製品で期待の「Z‐338」は、昨年9月に国内承認申請を行っており、中計期間の早い時期に上市を目指す。さらに「アサコール」と合わせ、グローバル展開の柱に成長させる方針。特に欧州でのライセンス先の決定を急ぎ、準備中の欧州第III相試験を早期に開始したい考え。将来的には、自販体制を拡大するティロッツ社の販路を活用し、「アサコール」に続く「Z‐338」の欧州展開を重要課題に掲げる。
その上で、グローバル展開を加速させ、特にアジアでの事業基盤構築を積極的に進める。既に医療用医薬品事業では、韓国で胃潰瘍治療剤「プロマック」の上市、中国で「アサコール」の第III相試験を開始しているが、伊部氏は「今年中には、中国の販売体制をはっきり固めたい」との考えを明らかにした。