厚生労働省は24日、政府の医療イノベーション会議、今年度末で期限を迎える医薬品・医療機器5カ年戦略の実績と今後の課題を整理したペーパーを提出した。
研究資金をめぐっては、予算の重点配分や税制見直しで「一定の研究開発の推進は見られたが、成果が見えにくい」として、府省間のプロジェクトの連携、オールジャパン体制による研究資金の集中投入、税制の更なる強化が必要との認識を示した。
ベンチャー育成では、産業革新機構からの出資や医薬品医療機器総合機構による薬事戦略相談といった環境が整えられたものの、「未だアカデミアと産業界を繋ぐ橋渡し機能は不十分であるとの指摘がある」とした。
臨床研究・治験については、日本がアジアの中核拠点となるようにハード・ソフト両面の整備を行うよう促した。
審査の迅速化・質向上では、ドラッグラグ、デバイスラグが解消されてきたことを成果に挙げ、今後も取り組みを継続すると共に、医療機器、再生再生医療について、「それぞれの特性を踏まえた規制のあり方を検討していく必要がある」と指摘した。
また、2010年度薬価制度で薬創出・適応外薬解消等促進加算が導入されたなどによって、「イノベーションが適切に評価される仕組みが整えられた」として、同加算の恒久化を含めて継続の可否を判断していくべきとの考え方を示した。
さらに、医薬品・医療機器産業を日本の成長牽引役へと導くために、「海外へ積極的に打って出ていく施策を打ち出していくことが必要」と提言した。