5月17日に第151回研究会 医療・医薬品情報研究会

2012年05月07日 (月)

 我国の農芸化学者、鈴木梅太郎が脚気の治癒因子として米糠からビタミンB1を分離して、当時の東京化学会で論文発表したのが1910年、「ビタミン」と言う造語をポーランドの生化学者・カシミール・フランクが論文上で使用したのが1912年で、今年がビタミン科学100周年となる。

 その後13種類のビタミンが識別され、スイスのロシュ社がアスコルビン酸の工業生産を1934年から開始している。1911年にスイスから医師のルドルフ・エベリング博士が来日、ロシュ社の日本における学術部を設立し日本人医師に自社の製品を紹介する任務が与えられた。エベリングは当時の東大薬学科の丹羽教授から紹介されたドイツ語が堪能だった薬剤師で巣鴨病院薬局長(現東京都立松沢病院)の二宮昌平と二人で、全国の大学病院、医師会などを中心に、主に自社のジギタリス製剤について紹介する学術宣伝活動を1912年から始めている。ここを起点とすると今年は「MR活動100周年」を迎えたことになる。

 医療機関の医師、薬剤師等に自社の医薬品学術宣伝活動を行う医薬品情報担当者は〈propaganda=宣伝〉に由来した呼称のプロパーと言われていたが、平成3年3月に欧米で広く使用されているMR(Medical Representative)にすることと製薬協が決定した。

 平成6年3月、厚生労働省の「医療におけるMRのあり方に関する検討会報告書」でMRの資質向上には資格試験制度が必要との提言があり、平成9年12月初めての認定試験が行われ昨年12月の第18回までを統計すると合格者数107,001名となっている。

 この4月から、いわゆる接待行為が自粛されMR活動の環境が大きく変化する時代となった。医薬品マーケティングのターゲットは処方元である医師である。しかし、医薬品を実際に販売する先は医療機関、とは言え医薬品を処方される患者は昨今のさまざまな媒体で医薬品等に関する情報を自由に入手出来る社会環境にある。医薬品マーケティングの視点も患者志向にならざるを得ない。かつてのMR活動は製品戦略だったが、現在の医療現場では治療ガイドラインに基づく薬物療法となっている。薬物療法は疾患毎に整理されており、疾患戦略を明確に医薬品マーケティングの中に取り入れていくことが重要となっている。

 今回の研究会は前順天堂大学浦安病院薬剤科長で、現在MR認定センター専務理事の小清水敏昌先生をお招きして100周年を迎えた我国の今後のMR活動に求められるものは何かを語って頂きます。皆様の参加をお待ちしています。


日時

平成24年5月17日(木) 15:00~17:00

会場

日本薬学会長井記念館8階「薬学ゼミナール渋谷教室No.3」

演題

「これからのMR活動」

講師

小清水 俊昌氏(公益財団法人 MR認定センター 専務理事)

申し込み締め切り

5月14日(月)

申し込み・お問い合わせ

医療・医薬品情報研究会
n_mizuno@ivory.plala.or.jp


 終了後、情報交換会(3,000円)があります。毎回、活発な情報交換の場となっていますのでどなたでも自由にご参加ください。
 研究会への当日参加大歓迎です(会費:3,000円)



≪次回のご案内≫

日時:2012年6月21日(木)15:00~17:00
会場:日本薬学会長井記念館8階「薬学ゼミナールNo.3教室」
講師:交渉中



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