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セルフメディケーションの再検討を

2006年5月12日 (金)

 一般用医薬品の販売制度見直しを中心とした薬事法改正案が参議院を通過し、衆議院での審議が待たれている。参議院の法案審議では、一般薬の位置づけをめぐる質疑があったが、あまり明確な答弁はなされなかったように思う。質問したのは、民主党の島田智弥子議員だった。

 島田議員の指摘は、[1]セルフメディケーションという言葉が使われるようになってから久しいが、未だに一般化したとは言い難い状況にある[2]セルフメディケーションを推進していくべきと考えているが、その手段として、例えばスイッチOTCの開発促進も図っていくべきだ[3]しかし消費者が自ら判断し、自らの責任で購入するに当たっては、薬剤師などの専門家による正確かつ適切な情報提供と、医薬品の徹底した安全対策が必要だ――というもの。

 これに答えて、赤松正雄厚生労働副大臣は、厚生科学審議会の医薬品販売制度改正検討部会の報告書を踏まえ、次のように答弁した。

 「報告書でセルフメディケーションの必要性が言及された通り、これをしっかりと適切に推進していきたい。医師や薬剤師など専門家の指摘を重視していくことも含め、附則で販売時に購入者へ情報提供されるべき例として、一定期間服用しても症状が改善されない、また悪化した際には医療機関で診察を受けることが挙げられている。さらに相談対応として、症状が改善しない場合等には、医療機関への受診を積極的に勧めていくことが明示されている。厚労省としても、安全性の確保に最大限留意しつつ、本格的な定着を見ていないセルフメディケーションについて、本来的な意味において日本社会に定着していくよう尽力したい」

 つまり、購入者の“自己責任”を前提に、専門家による必要な情報提供、相談応需ができる体制を構築していくという考え方だ。

 検討部会報告書では、WHOが提唱する「自分自身の健康に責任を持ち、軽度な身体の不調(minor ailments)は自分で手当てする」を引用すると共に、「急速な高齢化の進展、生活習慣病の増加など疾病構造の変化、生活の質(QOL)向上への要請等に伴い、国民の健康に対する意識・関心が高まっている。このような中で、薬局・薬店の薬剤師等による適切なアドバイスの下で、身近にある一般用医薬品を利用する『セルフメディケーション』の考え方が見られるようになってきている」とし、自己責任と専門家の支援により、一般用医薬品を使う方向を示した。

 一方、世の中ではセルフメディケーションという言葉が躍っている。セルフメディケーションを、安直に捉えられかねないテレビCMも見られる。また、セルフメディケーションは、軽微な症状を治すだけでなく、糖尿病や高脂血症など生活習慣病予防の面からも重要だ。

 そのためには、しっかりした健康教育を、早い時期から行う必要があり、一般の人たちが自分自身の健康について、確固たる考えを持つことがまず大切だと思う。セルフメディケーションの持つ意味を再検討し、適切な形で普及を図っていく時期に来ているのではないか。




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