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終末期医療GLまとまる‐患者の自己決定が原則

2007年04月12日 (木)

 厚生労働省の「終末期医療の決定プロセスのあり方に関する検討会」は9日、「終末期医療の決定プロセスに関するガイドライン(GL)」を概ね了承した。医療者の説明責任と患者の納得・自己決定を原則に、チーム医療で患者に最善の医療を提供する考えを示した。またGLに関して、より具体的な解説を記した「GL解説編」に関しても概ね了承された。

 GLには、「終末期医療及びケアのあり方」と「終末期医療及びケアの方針の決定手続き」が盛り込まれている。

 終末期医療のあり方については、最も重要な原則として、「医師等の医療従事者から適切な情報提供と説明が行われ、それに基づいて患者が医療従事者と話し合い、患者本人による決定を基本とした上で、終末期医療を進める」との考えが強調された。

 さらに、終末期医療における医療行為の開始・不開始、医療内容の変更、医療行為の中止などは、医学的妥当性と適切性を基にして、多専門職種の医療従事者から構成される医療・ケアチームによって慎重に判断する必要性を挙げた。

 また、生命を短縮させる意図を持つ「積極的安楽死」に関しては、同GLでは対象としない考えも示した。

 終末期医療の方針の決定手続きでは、患者の意思が確認できる場合と確認できない場合とに分けて、手続きの流れを盛り込んだ。

 意思が確認できる場合には、専門的な医学的検討を踏まえ、患者の意思決定を基本として、多専門職種の医療・ケアチームが方針決定を行うとの方向性を打ち出した。その際には、患者と医療従事者が十分な話し合いを行い、患者が意思決定し、合意内容を文書にまとめておくとし、時間の経過、病状の変化、医学的評価の変更に応じて、さらには患者の意思が変化するものであることに留意し、その都度説明を行い患者の意思の再確認を行う必要性を強調。また、患者が拒まない限りは、決定内容を家族にも知らせることが望ましいとしている。

 一方、患者の意思が確認できない場合で、「家族が患者の意思を推定できる場合」には、その推定意思を尊重して患者にとっての最善の治療方針をとることを基本としている。「家族が患者の意思を推定できない場合」には、家族の判断を参考に、患者にとって最善の治療方針をとることを基本に据えている。

 また、「家族がいない場合や家族が判断を医療・ケアチームに委ねる場合」には、患者にとっての最善の治療方針をとることを基本としている。それぞれの場合においてこれらの基本を踏まえて、医療・ケアチームの中で慎重な判断を行う必要があるとした。

 患者の意思が確認できる場合、確認できない場合のいずれにおいても、治療方針の決定に際して、[1]医療・ケアチームの中で病態等により医療内容の決定が困難[2]患者と医療従事者との話し合いの中で、妥当で適切な医療内容についての合意が得られない[3]家族の中で意見がまとまらない””などの場合については、医療・ケアチームと同様の複数専門職からなる委員会を設置して、治療方針等についての検討・助言を行う必要性も指摘した。



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