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気にかかる衆院総選挙の行方

2012年12月14日 (金)

 政権選択を懸けた衆院総選挙の投開票まであと2日に迫った。当初、伝えられていた自民優勢、民主劣勢の構図が選挙の終盤でどう変化するのか、「第3極」を目指す日本維新の会、日本未来の党、みんなの党がどこまで勢力を伸ばし、新政権の枠組みにどう影響するのか、国の今後に関わる重大な選挙であるだけに、自ずと注目が集まる。

 薬剤師では、民主から三井辨雄氏、逢坂誠二氏、樋口俊一氏、自民からは松本純氏、渡嘉敷奈緒美氏らが立候補しており、何人の薬剤師議員が誕生するのかが業界関係者の関心事といえよう。

 各党とも選挙公約で社会保障改革の必要性や医療、介護の充実などを掲げるが、民主、自民、公明3党の主導によって発足した、年金や医療制度の将来像を議論する「社会保障制度改革国民会議」の期限は来年8月21日で、これ以上の政治空白は許されない状況だ。

 議論を着実に進めていくためには、3党の協力が欠かせないだけに、選挙後の連立や部分連合も視野に入れた対応が必要になる。

 12月の半ばに衆院選が組み込まれたことで、各省庁の動きも大きく変わってくる。選挙の結果によっては、各党の連立協議や組閣などに時間をとられる可能性もあり、予算編成作業が越年するのは避けられそうもない。

 来年度予算概算要求では、政府の日本再生戦略実現に向け、医薬基盤研究所を中心とした「創薬支援ネットワーク」の構築をはじめ、行政刷新会議の「新仕分け」で「抜本的見直し」が求められた臨床研究中核病院の整備費用、薬局を活用した薬物療法提供体制の強化のための予算などを特別重点枠で要求しており、新政権には、予算の着実な実行に対する協力が求められる。

 厚労省は、来年の通常国会で薬事法を改正するための法案提出を目指している。法案は、治験に参加できない患者が安全に未承認薬などへアクセスできる枠組みの創設や、医療機器、再生医療製品に関する法規制の構築、医薬品医療機器総合機構に対する国庫補助拡大などが柱になるものと見られるが、新政権にとってはその対応も急務となる。

 当初、議員立法による設置を目指していたものの、11月の衆院解散で廃案となってしまった医薬品行政等を監視・評価する第三者組織の設置法案の行方からも目が離せない。

 第三者組織の設置法案が仕切り直しの状態になったことで、薬害被害者が求める内閣提出法案とするのか、議員立法として法案を提出し直すのか、二つの選択肢が出てきたためだ。

 いずれの選択も新政権の考え方次第だが、しっかりとしたチェック機能を持った組織を作り上げるための議論を尽くしてもらいたい。



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