シミックホールディングスとメディパルホールディングスの共同出資で昨年5月に発足した「オーファンパシフィック」が17日、第1号製品として尿素サイクル異常症用薬「ブフェニール錠500mg、同顆粒94%」(一般名:フェニル酪酸ナトリウム)を発売した。国内推計患者数が約200人と極めて少ない希少疾病用医薬品で、当面は営業担当4人が情報提供・収集等の活動を展開し、メディパルのMSを順次活用していく。
尿素サイクル異常症はアンモニアを尿素に変換する代謝経路の酵素が遺伝的に欠損する先天性疾患。高アンモニア血症によって食欲不振、嗜眠、錯乱、昏睡、脳障害を発症し、死に至ることもある。有識者会議の判断を受けて厚生労働省が実施した開発企業の公募にシミックが申し出て、昨年9月に承認を取得した。それをオーファンパシフィックが承継し、11月に薬価収載された。
成人と体重20kg以上の小児には1日9・9~13・0g/m2、体重20kg未満の乳幼児には1日450~600mg/kgを、3~6回に分けて食事や栄養補給に合わせて投与する。体内でフェニル酢酸に変換され、尿素サイクルとは異なる代替経路によってグルタミンを尿中に排泄し、血中のアンモニア濃度を低下させる。
薬価は錠剤が449・40円、顆粒剤831・70円。