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日本大衆薬工業協会は8日、都内で第43回総会を開き、今年度の事業計画・予算等を承認したほか、新会長に三輪芳弘氏(興和)を選出した。また大衆薬協として「大衆薬」に替わる用語として「OTC医薬品」を使用していくことも決定した。これまでも大衆薬市場の活性化に向け数々の施策に取り組んできたが、今回の新たな販売制度導入が従来の大衆薬のイメージを一新し、市場活性化に取り組む好機であるとして、昨年来から協会内にプロジェクトを設置し、検討していたもの。なお、協会の名称についても来年4月から「日本OTC医薬品協会」に変更していく方向を明らかにし、今後は会員企業の意見も踏まえた上で、理事会決議に諮ることになった。
正副会長の互選では、三輪会長のほか副会長に羽鳥成一郎(エスエス製薬)、佐藤誠一(佐藤製薬)、伊部幸顕(ゼリア新薬)、今泉英壽(第一三共ヘルスケア)、上原明(大正製薬)、大槻浩(武田薬品)、風間八左衛門(ツムラ)、山田邦雄(ロート製薬)の各氏を決定。さらに鶴田康則理事長、熊谷弘、西沢元仁の両常務理事のほか、数土直方、新田進治の両名誉顧問の委嘱についても承認された。
新会長に就任した三輪氏は、「OTC医薬品業界が大きく変化する中での会長職だけに、責任の重大さを痛感している。OTC医薬品の役割のさらなるアピール、国際協調などの課題に積極的に取り組み、市場活性化につなげる活動を引き続き推進していきたい」と抱負を述べた。
総会では今後、「大衆薬」に替わる用語として「OTC医薬品」を使用していくことが承認された。昨秋に正副会長会からの指示を受け、協会内の事業戦略会議傘下に「用語検討プロジェクト」を設置し、インパクトがあり覚えやすく、国際的整合性があり、行政や業界団体・メーカーにとって問題のない名称という前提で検討を進めてきた。
「OTC医薬品」という名称にした理由として、協会では「国際的にほとんどの国で一般用医薬品=OTC医薬品であり、アルファベット3文字は覚えやすく、受け入れやすい。今後スイッチOTCやダイレクトOTCが期待され、OTCを見たり聞いたりする機会が増える。また業界では馴染みがある言葉だが、生活者には新鮮な用語であること」(熊谷常務)としている。
同様に協会の名称も「日本OTC医薬品協会」に改める方向で、明年4月1日からの変更に向けて会則変更、名称変更に伴う調査、ロゴ作成などの準備を進めていく。今後はアンケート等による会員企業の意見を踏まえ、正式決定していく予定。