エスエス製薬は、軽度の静脈還流障害による足のむくみを改善する内服薬、西洋ハーブ医薬品として第1号のOTC医薬品──という二つの“日本初”を特徴とする、第1類医薬品の「アンチスタックス」を6月3日に新発売する。「飲む、足のむくみ改善薬」「ダイレクトOTC」「西洋ハーブ医薬品」という点で、既存市場にない製品であると共に、臨床試験の結果でも高い改善効果を示している。足のむくみは、日本の成人女性の50%以上が抱えているとされるものの、現在の対処法に対する満足度は低く、大きな潜在市場であると言える。今回の新製品について、同社では「足のむくみ改善という大きな市場に、OTCの新たなカテゴリーを創出しつつ、セルフメディケーションの拡大に貢献できる製品」として高い期待を示す。
足のむくみは、静脈の還流障害が主な原因となっていることは、あまり知られていない。また、足のむくみには静脈還流障害(慢性静脈不全)という病気が隠れていることがあり、その罹患率は一般人口の40~50%程度にも上るとされるが、国内ではこれまで有効な治療薬はなかった。
静脈還流障害の初期症状は、足のむくみや重さ、だるさ、つっぱり感、痛みなどが挙げられるが、これらは血流の滞りが主な原因。新製品の「アンチスタックス」は、1日1回2カプセルを朝服用することで、血管を強化し血流を促進。これにより軽度の静脈還流障害の初期症状を改善する。
同品は、欧州において古くから血管(静脈)の病に良いとされている赤ブドウ葉を原材料として、医薬品としての有効性と安全性、品質を確保した天然由来の「赤ブドウ葉乾燥エキス混合物」を有効成分とする。
長い間、欧州を中心に海外では赤ブドウ葉をはじめとする西洋ハーブの医薬品が様々な症状の治療に広く使われてきたが(アンチスタックスは世界25カ国以上で販売されている)、日本では2007年3月に厚生労働省の通知により、西洋ハーブを有効成分とする医薬品承認申請のルールが定められた。
その第1号である「アンチスタックス」は、11年1月にダイレクトOTCとして製造販売承認を取得。今回、日本で初めての西洋ハーブ医薬品として発売されることとなった。税込み希望小売価格は、40カプセル3045円、60カプセル4095円。
マーケティング施策について同社では、[1]疾患啓発[2]ブランド認知の促進[3]薬剤師推奨の獲得[4]発売後のロイヤルユーザー獲得──という四つのポイントを押さえておくことを“成功の鍵”に挙げる。メインターゲットは40代を中心とした30~50代の女性で、コミュニケーション活動を通じて、「足のむくみは血管の問題であることの気づきを与え、体の中からむくみを改善するアンチスタックスを訴求していきたい」とする。22日には同社ホームページ内にブランドサイトも開設し、Webを通じた情報発信にも努めていく。
石橋利哉社長は22日に都内で開催した記者発表会で、「アンチスタックスは、エスエス製薬にとって『アレジオン10』に続く大型の第1類医薬品といえる。生活者に新たな選択肢の一つとなり得る製品を発売できることは、(われわれにとっても)大変喜ばしいことである。同時にOTC医薬品メーカーの責任であるとも考えている。今後は積極的な第1類医薬品の投入をはじめ、生活者のニーズに合うOTC医薬品を通して、セルメディケーション推進に貢献していく」と強調した。