北海道名寄市は、漢方薬原料となる薬用植物の栽培で地域振興を目指している。今年7月には、医薬基盤研究所と共同研究契約を結び、「カノコソウ」などで種苗の育成、大量生産が可能な栽培技術を確立し、薬用植物栽培の一大研究拠点として足場を築く。加藤剛士市長は、本紙のインタビューに応じ、「薬用植物で、企業や研究機関、大学などから“相談される存在”になりたい」と述べ、産地形成だけでなく、薬用植物栽培を行う他地域と情報交換が行える“研究集積地”を実現し、地域活性化を目指す。原料生薬が海外輸入に依存し、将来の漢方薬供給が危機に瀕する中、名寄から技術を発信していく。
名寄市は、米、もち米、カボチャ、アスパラガス、スイートコーンなどの産地として有名。薬用植物についても、1990年以前は一大産地だったが、その後、中国産の台頭や北海道生薬公社の解散などもあり停滞していた。
* 全文閲覧には 薬事日報 電子版 » への申込みが必要です。