東京大学大学院薬学系研究科の國信洋一郎氏らの研究グループは、これまで置換困難だった芳香環の特定の位置に官能基を選択的かつ効率的に導入する独自の触媒を開発し、水素結合を用いる新たな反応機構を示すことに成功した。今後、新たな医薬品や機能性材料の開発や、より効率的な合成法の開発に寄与することが期待できる。
多くの医薬品や機能性材料は、芳香環に官能基を導入することで合成される。しかし、芳香環の特定の位置に選択的に官能基を導入することは容易ではなく、様々な反応や触媒の開発が進められている。特に、最も置換することが困難な位置への選択的な反応は、置換できる化合物の種類が少ないことや、他の位置に置換された混合物が得られてしまうなどの課題があり、より効率的な反応の開発が望まれていた。
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