製薬企業向け医薬品開発受託機関(CRO)大手のイーピーエスと、日本初の被験者募集業務に特化したコンサルティングCROのクロエは6日、治験の被験者募集業務で戦略的協力関係を構築すると発表した。医薬品開発の遅延の理由の7割が「被験者募集の遅れ」とされているように、医薬品開発は癌や中枢神経系などの難易度の高い疾患へとシフトし、治験実施計画(プロトコル)の複雑性も増し、プロトコルに合致した被験者の組み入れが難しくなっている。医薬品開発の効率化を目指すイーピーエスと、被験者募集業務に豊富なノウハウを持つクロエが組むことで、臨床試験での期間短縮とコストの最適化の実現を目指す。
イーピーエスは、癌領域、中枢神経領域での医薬品開発受託実績が多く、これらの領域は今後も受託拡大が見込まれている。ただ、治験業務の入り口段階にある被験者募集をめぐっては、各医療機関で受療した患者に治験を勧めるアプローチに依存しているのが現状。癌領域では、免疫チェックポイント阻害剤の試験が競合するなど症例の確保が難しくなるほか、中枢神経領域ではアルツハイマー型認知症など早期診断が可能な検査法が確立されつつあり、医療機関に通院していない軽度認知障害患者を治験に組み入れていくため、効果的な被験者募集が必要となっている。
* 全文閲覧には 薬事日報 電子版 » への申込みが必要です。