「キヨーレオピン」をはじめとする熟成ニンニク抽出液配合の滋養強壮剤レオピンシリーズを展開する湧永製薬は、来年1月に健康補助食品「Kyolic(キョーリック)」を新発売する。6日に都内で行った発表会で、湧永寛仁社長は「キョーリックは当初、熟成ニンニク抽出液のみ(単味製品)として発売していくが、今後は海外での展開のように身体機能の維持に役立つ素材成分も加え、機能性表示食品も視野に入れて開発し、ラインナップの充実を図りたい」などと説明した。また新製品投入を機に、レオピンシリーズの医薬品も含めた販売チャネルについても、「店舗形態や規模の大小に応じて、製品戦略を明確にしていきたい」考えを示した。
同社の主力製品であるレオピンシリーズは、1960年に「キヨーレオピン」を発売以来、半世紀以上の歴史を有し、日本における滋養強壮剤のトップブランドの一つとなっている。その特徴が、ニンニクを長期間熟成して得られた“熟成ニンニク抽出液”を配合していること。長期間自然熟成させることで、ニンニク本来の栄養価値は残しつつ、特有の臭いや刺激を和らげている。
現在、この熟成ニンニク抽出液を配合した同シリーズは、液剤タイプが5製品(キヨーレオピン、レオピンファイブ、レオピンロイヤル、キヨーレオピンネオ、レオピンファイブネオ)、固形剤タイプが2製品(キヨーレオピンキャプレット、レオピンファイブキャプレット)で展開している。
新発売となる「Kyolic(キョーリック)」は、熟成ニンニク抽出液を配合した健康補助食品で、飲みやすい粒(錠剤タイプ)となっている。1日摂取目安の4粒中に、熟成ニンニク抽出液含有粉末1200mgを配合、税別希望小売価格は120粒2980円。
発表会で湧永社長は、今回の新製品投入の背景として、「レオピンシリーズの顧客層の拡大」と「機能性食品市場の拡大への対応」の二つを主な理由に挙げた。
自社調査に基づくマーケティングデータでは、レオピンシリーズは初回購入者でもリピート購入率は5割を超え、購入回数が4回目に達するとリピート率は80%、6回目になると約90%になるなど、購入を重ねるごとに“ロイヤルカスタマー化”の様相を呈するという。しかし、購入者の年代別割合というと、特に60~70歳代を中心としたシニア層が高い比率となっている。
湧永社長は「データからは20~40歳代の、いわゆる働き盛りの世代、健康が気になってくる世代で少しアプローチが弱いということが分かってきた。こうした潜在需要層に、将来的にはレオピンシリーズを服用してもらいたいわけだが、そのエントリー商品と位置づけているのが、新たに投入するキョーリックだ」とする。
また、最近では医薬品以外の食品分野でも、特定保健用食品あるいは機能性表示食品というように、効能効果を示せる製品が増えている。「機能性表示食品の届出数は今秋に500件を超え、市場規模は今後ますます拡大すると予測されている。こうした市場に(われわれも)打って出たい」ことも挙げた。
来年以降は「キョーリック」販売を機に、製品ごとの販売チャネル戦略も進めていきたい考えだ。現在想定している主な棲み分けは、カウンセリング力の高い薬局・薬店(日本専門薬局同志会加盟店)には「キヨーレオピンネオ」「レオピンファイブネオ」「レオピンロイヤル」を、広域にチェーン展開するドラッグストア企業には「キヨーレオピン」「レオピンファイブ」を主体の商品群で展開し、その中間層に位置するローカルチェーン、リージョナルドラッグストア、スーパーマーケット等には、主に“食品”としての「キョーリック」を広げていく。
「Kyolic」ブランドは、海外では40年以上の販売実績を持ち、50カ国以上で展開している。特に米国では、豊富なエビデンスが高い評価を受け、自然食品を中心としたスーパーマーケットのニンニクカテゴリーでは約6割の圧倒的なシェア(7月のデータ)を誇っているという。日本で発売する「キョーリック」は熟成ニンニクのみを成分とする単味製品だが、今後は海外のように様々な機能性成分をプラスした製品にも取り組み、健康補助食品または機能性表示食品としてラインナップを充実させていく構想という