
抗PD-1抗体「キイトルーダ点滴静注20mg・同100mg」
MSDは、根治切除不能な悪性黒色腫(メラノーマ)、PD-L1陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌(NSCLC)を適応とした抗PD-1抗体「キイトルーダ点滴静注20mg・同100mg」(一般名:ペンブロリズマブ)を新発売した。
キイトルーダは、T細胞に主に発現する受容体であるPD-1と、腫瘍細胞に発現するリガンドのPD-L1・PD-L2の相互作用を阻害する抗PD-1抗体で、PD-1に結合して受容体とリガンドの結合を阻害し、抗腫瘍免疫応答の阻害を解除する。NSCLCの適応では一次治療も含まれている。MSDが製造販売を行い、大鵬薬品と共同で情報提供を行う。
キイトルーダを投与するNCSLC患者については、化学分析機器メーカーであるアジレント・テクノロジーのコンパニオン診断薬「PD-L1IHC22C3pharmaDx『ダコ』」による診断で特定される。一次治療では、腫瘍細胞のうちのPD-L1発現陽性細胞の割合が50%以上と診断された未治療患者が投与の対象となる。
MSDのMRは2200人。ビジネスユニット体制で、オンコロジー担当MRがキイトルーダの情報提供を行う。
キイトルーダの他の癌腫の適応では、再発・難治性の古典的ホジキンリンパ腫で国内申請済みのほか、膀胱癌、乳癌、胃癌、頭頸部癌、肝癌、多発性骨髄腫、食道癌、腎細胞癌、大腸癌、卵巣癌、前立腺癌などを対象とした後期臨床試験が進行している。