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1月25日付承認の主な新薬”世界初の遺伝子組み換えトロンボモデュリン登場

2008年01月31日 (木)

関連検索: 新薬 世界初 遺伝子組み換え トロンボモデュリン 厚生労働省

 厚生労働省が1月25日付で承認した新医薬品では、世界初の遺伝子組み換えトロンボモデュリン製剤、腎細胞癌に対して細胞増殖と血管新生を両方抑制するマルチキナーゼ阻害剤、放射同位元素を結合したモノクローナル抗体、禁煙補助薬など、ユニークな作用を発揮する多彩な新薬が登場した。

■シングレア錠:万有製薬、キプレス錠:杏林製薬

 「シングレア錠5mg、同10」「キプレス錠5mg、同10」(一般名:モンテルカストナトリウム)は、米メルクによって開発された気管支喘息治療薬。今回、成人アレルギー性鼻炎の適応症と共に、成人用の新剤形として5mg錠の製造販売承認を取得した。

 同剤は、ロイコトリエン受容体拮抗薬として、くしゃみ、鼻漏、鼻閉のアレルギー症状に投与1日目から効果を発揮する。1日1回就寝前に5010mgを経口投与。

■ロナセン:大日本住友製薬

 「ロナセン錠2mg、同4mg、同散2%」(一般名:ブロナンセリン)は、大日本住友製薬が創製した新規統合失調症治療薬。ドーパミン2受容体およびセロトニン2受容体に対し、強い遮断作用と高い選択性を発揮する。さらに、セロトニン2受容体より、ドーパミン2受容体に対する遮断作用が強い特徴を持つ。

 同剤は、臨床試験において、統合失調症の陽性症状(幻覚、妄想など)のみならず、陰性症状(情動の平板化、意欲低下など)に対する改善効果が示されている。

■クレキサン注:サノフィ・アベンティス

 「クレキサン皮下注キット2000IU」(一般名:エノキサパリンナトリウム)は、静脈血栓塞栓症(VTE)の予防を目的とする抗凝固薬。股関節や膝関節など、下肢の整形外科手術後のVTE発症抑制を適応症とし、今回新たに製造販売承認を取得した。

 クレキサンは、低分子量ヘパリン製剤で、抗血栓作用を持つ。静脈血管、動脈血管での血栓形成を阻害することにより、急性・慢性の静脈血栓症、動脈血栓症の発症を予防する。

 日本での用法・用量は、クレキサン20mgを1日2回皮下注射。

■アマージ錠:グラクソ・スミスクライン

 「アマージ錠2・5mg」(一般名:ナラトリプタン塩酸塩)は、トリプタン系の経口片頭痛治療薬。従来のトリプタン系薬剤の中で、半減期が約5時間と最も長いため、頭痛改善効果の持続性と再発抑制が期待できるという。

 1回2・5mgを片頭痛の頭痛発現時に経口投与する。

■ネクサバール錠200mg:バイエル薬品

 「ネクサバール錠200mg」(一般名:ソラフェニブトシル酸塩)は、バイエルヘルスケアとオニキス・ファーマシューティカルが共同開発した経口マルチキナーゼ阻害剤。癌細胞の増殖と血管新生に関与する2種類のキナーゼ群を両方阻害することによって、癌の成長を抑制する特徴を持つ。

 適応は、切除不能または転移性腎細胞癌で、腎細胞癌を対象とした治療薬としては、国内初の経口分子標的薬となる。

■ゼバリン:バイエル薬品

 「ゼバリンイットリウム(90Y)静注用セット」(一般名:イブリツモマブチウキセタン塩化イットリウム90)は、CD20モノクローナル抗体に放射性同位元素イットリウム90(90Y)を結合させた放射免疫療法剤。低悪性度B細胞性非ホジキンリンパ腫、マントル細胞腫への適応として承認された。

 また併せて、ゼバリン‐イットリウム90による治療の可否を判定するための「ゼバリンインジウム(111In)静注用セット」(一般名:イブリツモマブチウキセタン塩化インジウム111)も製造販売承認を取得した。

 ゼバリン‐イットリウム90を使った放射免疫療法を行うためには、CD20抗体であるリツキサンを静注した後、ゼバリン‐インジウム111を投与。その生体内分布を調べた結果に基づき、ゼバリン‐イットリウム90の治療を行うかどうか決定する。

■グレースビット錠:第一三共

 「グレースビット錠50mg、同細粒10%」(一般名:シタフロキサシン水和物)は、広範囲に作用する経口ニューキノロン系抗菌薬。強い抗菌力と広域スペクトルを持っていることから、同剤の適応菌種による感染の重症例、再発再燃例などにも効果を発揮する。

■チャンピックス錠:ファイザー

 「チャンピックス錠0・5mg、同1mg」(一般名:バレニクリン酒石酸塩)は、禁煙治療を目的に開発された日本初の経口禁煙補助薬。ニコチンを含まず、脳内のニコチン受容体に高い結合親和性を持つ部分作動薬として、禁煙に伴う離脱症状やタバコへの切望感を軽減する効果を発揮する。

 103日目は0・5mgを1日1回食後に経口投与、407日目は0・5mgを1日2回朝夕食後に経口投与、8日目以降は1mgを朝夕食後に経口投与する。投与期間は12週間。

■リコモジュリン注:旭化成ファーマ

 「リコモジュリン点滴静注用12800」(一般名:トロンボモデュリンアルファ・遺伝子組み換え)は、旭化成ファーマが創製した世界初の遺伝子組み換えトロンボモデュリン製剤。

 血液凝固因子であるトロンビンの生成を抑える新規抗凝固薬として、汎発性血管内血液凝固症(DIC)を適応症に製造販売承認を取得した。

■レバチオ錠:ファイザー

 「レバチオ錠20mg」(一般名:シルデナフィルクエン酸塩)は、ホスホジエステラーゼ(PDE)5阻害という新しい作用機序を持つ肺動脈性肺高血圧症治療薬。酵素であるPDE5の活性を阻害することで、肺動脈圧、肺血管抵抗を低下させる。

 シルデナフィルクエン酸塩は、「バイアグラ」の製品名で勃起不全治療薬として使われているが、今回、肺動脈性肺高血圧症の適応で製造販売承認を新たに取得した。

 なお、レバチオは、希少疾病用医薬品に指定されている。

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