■「レグパラ」に有用性加算I、コンサータなどは原価計算
厚生労働省は新医薬品9成分16品目を、14日付で薬価基準に追補収載する。内訳は内用薬6成分11品目、注射薬3成分5品目。12日の中央社会保険医療協議会総会で、薬価算定組織の報告が了承された。今回は、コンサータ錠とアラノンジー静注用が、他に類似薬がないため原価計算により価格が決められたほか、レグパラ錠に有用性加算I、タルセバ錠とEOB・プリモビスト注シリンジに有用性加算IIが適用された。
原価計算されたコンサータ錠18mg、同27mg(ヤンセンファーマ)は、塩酸メチルフェニデートを成分とする精神神経用剤で、小児期における注意欠陥/多動性障害が新効能として追加される。企業が予測する患者数と販売金額は、初年度が1万3300人で3億円、ピークの6年目が2万4700人で33・3億円。
代謝拮抗剤のアラノンジー静注用250mg(グラクソ・スミスクライン)は、成分名がネララビン。T細胞急性リンパ性白血病とT細胞リンパ芽球性リンパ腫のうち、再発または難治性の疾患が適応となる。希少疾病用医薬品として開発された。企業が予測する患者数と販売金額は、初年度が10人で0・2億円、ピークの10年目が139人で2・6億円。
レグパラ錠25mg、同75mg(キリンファーマ)は、成分名がシナカルセト塩酸塩で、効能効果は維持透析下の二次性副甲状腺機能亢進症。オキサロール注5μgを類似薬として類似薬効比較方式1により、同注5μgと10μgの規格間比を用いて算定し、有用性加算Iを適用した。企業が予測する患者数と販売金額は、初年度が2000人で1・8億円、ピークの10年目が2万4900人で87・3億円。
タルセバ錠25mg、同100mg、同150mg(中外製薬)は、成分名がエルロチニブ塩酸塩。効能効果は、切除不能な再発・進行性で癌化学療法施行後に増悪した非小細胞肺癌。イレッサ錠250を類似薬として、類似薬効比較方式1により、ノルバデックス錠の10mgと20mgの規格間比を採用して算定された。有用性加算IIが適用され、さらに外国価格調整による引き上げも行われた。企業が予測する患者数と販売金額は、初年度が1000人で4億円、ピークの10年目が1万1000人で156億円。
EOB・プリモビスト注シリンジ(バイエル薬品)は、成分名がガドキセト酸ナトリウムで、効能効果は磁気共鳴コンピュータ断層撮影における肝腫瘍の造影。リゾビスト注を類似薬として、類似薬効比較方式1により、マグネビスト37・14%の15mLと10mLの規格間比を用いて算定され、有用性加算IIとキット加算が上乗せされた。企業が予測する患者数と販売金額は、初年度が9000人で1・6億円、ピークの10年目が28万2000人で54億円。
■ベラプロストナトリウム、有用性に基づく市場性加算
ケアロードLA錠60μg(東レ)とベラサスLA錠60μg(科研製薬)は、成分名がベラプロストナトリウムで、肺動脈性高血圧症という新効能が追加された。ドルナー錠20μg、プロサイリン錠20の規格間調整で算定された上、徐放化が評価され有用性に基づく市場性加算IIが認められた。企業が予測する患者数と販売金額は、初年度が200人で0・3億円、ピークの5年目が1000人で3・6億円。
ディナゲスト錠1mg(持田製薬)は、成分名がジェノゲストで、子宮内膜症を効能効果とする。ボンゾール錠200mgを類似薬として、類似薬効比較方式1により算定された。企業が予測する患者数と販売金額は、初年度が1000人で0・6億円、ピークの4年目が6500人で22・2億円。
クラリチンドライシロップ1%(シェリング・プラウ)は、成分名がロラタジンで、効能効果はアレルギー性鼻炎、蕁麻疹、皮膚疾患(湿疹・皮膚炎、皮膚掻痒症)に伴う掻痒。クラリチン錠10mg、クラリチンレディタブ錠10mgを類似薬として、類似薬効比較方式1により算定された。企業が予測する患者数と販売金額は、初年度が4万8000人で2・74億円、ピークの6年目が50万1000人で22・75億円。
レベミル注300、同300フレックスペン(ノボノルディスクファーマ)は、成分名がインスリンデテミル(遺伝子組み換え)、効能効果はインスリン療法が適応となる糖尿病。ランタス注オプチクリック300を類似薬として、類似薬効比較方式1により算定され、フレックスペンにはキット加算が適用された。企業が予測する患者数と販売金額は、初年度が8000人で0・2億円、ピークの9年目が55万8000人で157・5億円。
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