厚生科学審議会の新型インフルエンザ対策に関する小委員会は8日、富山化学の新型インフルエンザ薬「アビガン」(一般名:ファビピラビル)について、備蓄が必要との考えをまとめ了承した。あらかじめ一定量を製剤で備蓄しておき、タミフルやリレンザなど既存のノイラミニダーゼ阻害剤4剤全てに耐性化したウイルスが発生した場合に、国がアビガンの供給を決め、専門医や施設を備えた感染症指定医療機関に限定して投与すべきとした。これを踏まえ、国は緊急時を想定し、富山化学からアビガンを約3万人分購入する方針である。今後、感染症部会にアビガンの備蓄方針を諮る予定。
小委員会は、アビガンの使用を判断するタイミングについて、原則として病原性、感染力の強い新型インフルエンザが発生し、ノイラミニダーゼ阻害剤4剤全てに耐性が見られる場合とし、国が速やかに使用の可否を判断する必要があると指摘。ノイラミニダーゼ阻害剤4剤全てに耐性化が見られるようなウイルス株が出現する可能性が否定できないことから、作用機序が異なるアビガンの必要性があるとし、「あらかじめ備蓄しておくことが必要」と結論づけた。
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