日本赤十字社医療センター・鈴木憲史氏が講演
日本赤十字社医療センター骨髄腫アミロイドーシスセンター長の鈴木憲史氏は、21日に都内で講演し、経口プロテアソーム阻害剤「ニンラーロ」(一般名:イキサゾミブ)の販売開始で、経口剤のみの併用療法で多発性骨髄腫(MM)の治療が可能になったのを受け、「患者の生活様式に合った治療が可能になる」と強調。在宅治療で通院負担を減らせるため、医療経済面で意義が大きいとの見方を示した。「(今後は)治癒を目指した治療の検討が課題になる。微少残存病変(MRD)陰性となれば、一部の若い患者さんに限っては治療をやめることも目指せる」と述べ、治療法の進歩で“MMを根治する時代”に期待感を示した。
MM治療をめぐっては、2000年以降、注射剤のプロテアソーム阻害剤「ベルケイド」、免疫調整薬「サリドマイド」「レナリドミド」が上市されたことにより、生存期間が約7年に延び、薬剤で病状を管理できるようになった。だが、注射剤を投与するために、医療機関に週2回通院しなければならず、骨の痛みや腰痛などを抱えるMM患者にとっては負担となっていた。また、病院への送り迎えなど、患者の生存期間が長くなった分、患者の子孫など家族の負担をどう減らすかという新たな課題が生じていた。
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