◆小笠原諸島の森林には、落ち葉の下におびただしい数のワラジムシ類とヨコエビ類といった土壌動物が住み、森の分解者として重要な役割を担っている。だが1980年代以降、父島全域と母島の広い範囲で、これら土壌生物が忽然と姿を消してしまったという
◆原因は分かっていなかったが、東北大学の大学院生らが、その謎の解明に挑んだ。その結果、土壌動物の「集団失踪事件」の犯人として、80年代初めに進入した外来生物である陸生ヒモムシの一種であることを突き止めたのだ
◆この陸生ヒモムシの一種は、体長が2~6cmある「オガサワラリクヒモムシ」と呼ばれているもので、“オガサワラ”とついているが、小笠原にもともといた生物ではなく、国外から渡来した外来生物で、80年代に父島に侵入した後、90年代半ばに母島に侵入したことが分かっていた
◆世界遺産である小笠原の土壌動物壊滅の原因が、大学院生の地道な研究で解明できた。薬学生も自ら研究テーマを選び、地道な努力をしながら、薬学の発展に寄与してほしい。
地道な研究で「犯人」を特定
2017年10月13日 (金)
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