日本薬科大学は、老舗酒蔵の北西酒造(埼玉県上尾市)と、酵素活性が高い麹菌を厳選して使用した「麹にこだわった純米酒」を共同開発し、北西酒造のオンラインショップ(http://shop.bunraku.net/)および上尾市内にある十一屋(じゅういちや)酒店での店頭販売を開始した。
昨今は日本酒に含まれる成分「α-グルコシルグリセロール」の機能性が注目されており、現在は化粧品の成分としても使用されている。日本薬科大学では、これまでも北西酒造と共同開発した日本初の大学発甘酒「甘こうじ」、秩父に自生するキハダを使用した「森のサイダーきはだのにがみ」など、地域・産学連携商品を次々と開発しており、このうち「甘こうじ」は麹菌によって作られる多くの機能性成分を含んでいるだけでなく、α-グルコシルグリセロールを高濃度に含んでいる。
今回も、α-グルコシルグリセロールをより高く生成する製造法について、北西酒造との共同で研究を行った。麹菌研究の第一人者である日本薬科大学の北本勝ひこ教授(東京大学名誉教授)が麹菌株の選定に吟味を重ね、AOK139菌(特許第4049220号)で麹を作った。使用したAOK139株は、α-グルコシルグリセロールの酵素活性が高く、健康や美容に良いとされる成分を多く生産する特徴がある。
完成した「麹にこだわった純米酒」は、メロンやバナナの香りに似た、フルーティーな香りを楽しめる産学コラボ商品となっている。容量720mL、アルコール度数15度、税別価格1385円。限定本数のため在庫がなくなり次第、販売終了となる。