厚生労働省はこのほど、人工呼吸器関連肺炎などを引き起こす「薬剤耐性アシネトバクター感染症」の院内感染防止対策の徹底を医療機関に指導するよう都道府県に要請した。鹿児島大学病院が昨年4月から1年間にわたり入院患者5人が罹患し、4人が死亡したことを今月3日に公表したことを踏まえた対応。感染を疑う事例が発生した場合は医療機関が速やかに都道府県に報告し、把握した情報を都道府県から厚労省に提供することも求めている。
アシネトバクターは、土壌や河川などに生息する環境菌で、通常は無害だが、集中治療室の患者や重症患者で流行する事例が見られる。医療機関外で発生することはほとんどない。薬剤耐性アシネトバクター感染症は、通常のアシネトバクター感染症治療に使う抗菌薬がほとんど効かず、人工呼吸器関連肺炎、血流感染症などを引き起こす。
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