中外製薬は、各地域に配置している安全性専任担当者とMRが連携して医療従事者に安全性情報を提供する際に、海外症例を含む第III相国際共同治験の安全性情報をデータベース(DB)化した新システム「治験DBツール」を活用する試みを4月から開始した。対象となるのは今年承認された抗癌剤など2製品。新薬の上市直後は、医療従事者が副作用情報に対するニーズが高い一方で、副作用情報が十分に集積していないことから、添付文書と海外症例を含めた治験DBツールで情報を補完する。医薬安全性本部安全性コミュニケーション部長の吉田真氏は11月29日、都内で会見し、今後上市予定の製品についても、「上市直後の『情報ギャップ』を埋める必要があると判断した場合には、積極的に導入していく」との考えを示した。
中外製薬では、各地域の状況を踏まえ、安全性の専任担当者がMRと連携しながら安全性情報の収集と適正使用情報の提供を実施している。添付文書や適正使用ガイドに加え、2~3日前に報告された副作用情報も含め、国内市販後の約26万件の安全性情報を搭載した「副作用DBツール」を活用し、タブレット端末を用いて医療従事者に最新の情報を提供している。患者の属性に応じて安全性データを調べたい場合には、国内製造販売後調査(PMS)の情報を搭載した「調査DBツール」を活用し、医療従事者が診療している患者の特性に応じて情報の提示が可能になっている。
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