中外製薬は、自社創製の抗IL-6受容体抗体「サトラリズマブ」について、視神経脊髄炎関連疾患(NMOSD)の適応症で来年の承認申請を行う。サトラリズマブ単剤投与による第III相国際共同治験「SAkuraStar試験」で有効性の主要評価項目を達成し、この試験結果をもとに、米FDAからブレークスルーセラピー(画期的新薬)の指定を取得した。抗IL-6受容体抗体「アクテムラ」を改良し、作用時間を延長したリサイクリング抗体では最も先行した開発パイプラインとなる。
サトラリズマブは、関節リウマチなど自己免疫疾患を適応としたアクテムラを改変し、半減期を延長させた。従来の抗体医薬の弱点を補完する基盤技術として開発され、一つの抗体でNMOSDの発症にかかわるIL-6受容体に繰り返し結合でき、IL-6の働きを抑制するようデザインされている。現時点では、NMOSDを適応として承認された薬剤はない。
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