あすか製薬は、川崎研究所を武田薬品の研究所である「湘南ヘルスイノベーションパーク」(湘南アイパーク)に移転することを決定した。創薬機能の再構築を中心とした新薬事業強化を目標に、オープンイノベーションの活用を推進してきたが、その一環として多数のテナント企業が入居する湘南アイパークで研究開発を行う。19年度から移転を開始し、20年度前半までに全面移転する。湘南アイパークのテナント企業で、武田以外の製薬企業が入居するのは初となる。
川崎研究所は、あすかが1936年に開設し、昨年3月末時点で研究者数は121人。あすかが保有する研究所は同研究所のみとなっている。武田薬品はあすか製薬の筆頭株主で、内科・産婦人科・泌尿器科の重点3領域に経営資源を集中させているが、湘南アイパークの充実した実験設備を利用できることに加え、産官学とのオープンイノベーションで研究開発を推進できると判断した。移転に伴う費用は明らかにしていないが、湘南アイパークへの移転による固定費圧縮によってコスト削減効果が期待できるとしている。