微生物技術アドバイザーとして活躍する著者が、化粧品の品質保証の要ともいえる微生物対策のノウハウをQ&Aや事例を交えてわかりやすく解説しています。
長年、化粧品メーカーで微生物対策関連業務に携わり、培ってきた豊富な経験や知識を盛り込んだ実務に役立つ一冊です。
目次と概要
第1章 化粧品の防腐技術
化粧品に使用できる防腐剤にはどのようなものがあるのか、それらの防腐剤は製品中でどのように挙動するのか、適切な防腐剤配合量の考え方などを解説。
パラベンフリー・防腐剤フリー製品の実現可能性とリスクについても言及。
第2章 保存効力試験法
防腐剤の効果を評価する保存効力試験法について、操作時の注意点や推奨したい手順について詳細に解説。
信頼性の高い結果を得るために安定した保存効力試験を実施するためのポイントも記載。
第3章 製品試験
特定菌検査の実施にあたり、製品の優先順位のつけ方、工場内の雑菌と特定菌の見分け方、検出菌の簡易同定方法などを解説。
特定菌検査を全ロット行うべきか否か、日和見感染菌が出現した際の対処法などについてもQ&Aで詳解。
第4章 製造環境の衛生管理
製造現場にいる環境菌とその測定方法、製造機器類・配管・ポンプ等の適切な洗浄殺菌の方法、原料微生物管理の方法など、製造時に起きる一次汚染の対策法や汚染管理のあり方について解説。
第5章 汚染事故が起こったときの対応
劣化内容の確認法やクレーム品の培養試験法など具体的な対応を紹介し、クレーム発生の原因解明を図るまでのプロセスを解説。
実際の対応事例も掲載。
第6章 微生物を扱うときの基礎操作
培地調製法の注意点や釣菌の操作、菌分散液の調製法、MIC(最小発育阻止濃度)測定法に関する課題などの基礎操作とグラム染色法などの応用操作について解説。
第7章 微生物の基礎知識
微生物の分裂と菌数の変化や、滅菌・殺菌・消毒・抗菌などの用語の定義、熱殺菌やアルコール殺菌の基本等をわかりやすく解説。
微生物の培養に必要な栄養培地の成分や選択培地の特徴、培地の活用方法についても紹介。
第8章 化粧品の微生物関連の規制
薬機法や日局、ISO、国際調和など化粧品を取り巻く法規制、国際的な取り決めについて解説。
国ごとにおける特定菌の扱いの違い、輸出時の化粧品微生物試験法のあり方、GMP省令の遵守などについても解説。
著者紹介
■浅賀 良雄(あさか よしお)
微生物技術アドバイザー。
株式会社資生堂研究所で微生物関連業務に長年従事し、退職後はコンサルタントとして化粧品メーカーへの技術指導や講演活動を行っている。
元日本化粧品工業連合会微生物専門委員長。
元ISO/TC217(化粧品)日本代表委員。
日本防菌防黴学会正会員。
【著者】浅賀 良雄(’19.05)
【判型・頁】A5判・280頁
【定価】3,300円(消費税込み)
ISBN:978-4-8408-1492-8 C3047
※ 送料:国内1カ所送付につき、重量5kg以下 660円、重量5kg超 990円