アステラス製薬は、主に臨床試験で用いる統計解析手法を営業・マーケティング戦略に応用し、自社製品の収益最大化を目指す。各営業所の売上を予測するツールとして統計解析を導入したところ、計画と実際の結果の誤差が小さくなった。さらにMRの工数の最適化にもつながり、年間約1億2000万円の営業費用削減を実現した。今後は、データの利活用を推進するアドバンストインフォマティクス&アナリティクス室と営業部門との連携を通じて、MRの生産性を向上させるための統計解析モデルを構築し、事業戦略で最適な意思決定に結びつけたい考えだ。
同社では、2015年に設置したアドバンストインフォマティクス&アナリティクス室が病院の電子カルテやレセプトデータなどのリアルワールドデータを保有しており、営業や開発、メディカルアフェアーズなどの各部門が行う業務に役立ててきた。現在では、不確実性が高まる製薬企業の医療用医薬品事業で、データに基づいた最適な戦略意思決定を目指している。
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