在宅活動通じ地域をサポート‐高コストパフォーマンスのシステムで

竹中氏
東京と神奈川に3店舗の薬局を運営するバンブー(本社横須賀市)代表取締役の竹中孝行氏は、社名に“竹のようにぐんぐん成長できるように”との想いを込め、社会全体を“生き活きとできるような”会社を目指している。現在、地域包括ケアシステムの構築が推進される中で、薬局には服薬情報の一元的・継続的把握とそれに基づく薬学的管理・指導、24時間対応・在宅対応などの機能強化が求められているが、竹中氏は「今後の医療において、薬局・薬剤師が果たすべき役割は非常に大きい。これからも患者とその家族、地域の皆さんが笑顔になれるよう、最適な医療を全力でサポートし、信頼と感動を与える薬局運営に注力していきたい」と話している。
バンブーは薬局事業として、コトブキ調剤薬局横須賀店(横須賀市)、竹の葉薬局三鷹新川店(三鷹市)、竹の葉薬局小金井緑町店(小金井市)の3店舗を展開しており、いずれも“ただ薬を渡すだけの薬局ではなく、地域の人々の健康づくりに寄り添った薬局”を理念として、日々活動を行っている。このうち、在宅活動に注力しているのが、コトブキ調剤薬局横須賀店と、竹の葉薬局三鷹新川店の2店舗で、中でも三鷹新川店は在宅対応が薬局業務の9割を占める。

高機能でコストパフォーマンスの高いシステムが、在宅に特化した同薬局の業務を力強くサポートしている
住宅街にある三鷹新川店は、2017年10月の開局。竹中氏は同薬局について、もともと在宅を志向していたが、「施設などのあてもなく、個人宅に訪問する形を考えたため、収益がどのくらいで推移するかも全く読めない状況であり、できるだけコストを抑えて開業したかった。高機能かつコストパフォーマンスの高さを備えていることから、電子薬歴一体型レセコン『ファーミー』が最適と判断した」という。
モイネットシステム(本社神戸市)の「ファーミー」はオプション設定がなく、薬袋印刷や処方箋バーコード読み取り、在庫管理機能などが全て備わっていながら、他社と比べて低価格であるため、レセコンの入れ替え時や薬局開業時に発生する大きな投資を最小限に抑えることができる。ソフトは買い換えることなく使い続けることができるので、サポートの終了に伴って新たにソフトを買い直す費用もいらない。また、ファーミー導入後は薬品データの更新料と法改正時の費用等が年間数万円かかる程度で、毎月の利用料などは一切ない。フル機能を備えながら低価格で、なおかつランニングコストも抑えられるというメリットから、現在47都道府県で約1300の薬局に導入されている。
かんたん登録・呼出機能も実装
「ファーミー」は、受付業務の流れに沿って、[1]患者検索[2]患者情報・保険確認[3]医療機関選択[4]処方入力[5]会計──の画面が順番に出てきて、会計が終わると「患者検索」の画面に戻る。流れに沿ってこの五つの画面を入力していくだけなので、初めて使用する人でも迷わず入力ができる。「とにかく入力機能に特化して無駄なものがなく、動作も軽いといった使いやすさがうれしい」(竹中氏)
さらに、レセコンと電子薬歴の機能が一体化しており、両方の機能を全てのパソコンで活用することができる。薬歴は定型のフォームはなく、箇条書きやSOAP形式など、自由なスタイルで入力できる。また、指導入力専用画面でよく使う語句や文章を登録できる「かんたん登録機能」や、1クリックで登録文章を転記できる「かんたん呼出機能」も実装している。

竹の葉薬局三鷹新川店
三鷹新川店は在宅に注力する関係で、ターミナルケア患者も多く、多種類の薬剤を取り扱う。そのため竹中氏は「抗癌剤、麻薬を含めて在庫管理が特に大事。デッドストックが出ると、すごく高くついてしまう」として、在庫管理面でのメリットも指摘する。ファーミーの在庫管理機能は調剤機能と一体化されており、使いやすさや操作方法はファーミーの調剤機能と同一で、違和感なく使用できる。追加で在庫管理ソフトを追加購入する必要もない。
薬局業務を効率良く行えるよう、様々な工夫が施されたファーミーだが、三鷹新川店を含めてユーザーの高い評価を得ているのが、アフターサポート体制といえる。「操作で分からないことやトラブルがあった際に、サポートダイヤルにかければすぐにつながるので助かっている」と竹中氏も話す。ナビダイヤルが間に入らず、オペレーターに直接つながるので迅速な対応が可能で、リモートで薬局のPCをオペレーターが操作するので、画面を見ながら説明することもできる。
モイネットシステムでは医療機関向けの消耗品のウェブショップ「消耗品コム」を運営している。プリンター用のインクや用紙、チャック付きポリ袋、無地薬袋用紙、お薬手帳用ラベルロール紙、容器(軟膏容器、投薬瓶など)、その他を安価で取り扱っていることから、バンブーが展開している薬局でも「消耗品コム」を利用し、業務に役立てているという。
三鷹新川店のある三鷹市は、高齢者人口も増加傾向にあり、2017年の高齢化率(総人口に占める65歳以上の高齢者数比率)は21.5%とされる。同薬局の周辺では、在宅に特化した薬局が少なく、「施設在宅はやっていても、麻薬、無菌調剤対応を含め個人宅を専門に担当できる薬局は限られてくる。そのため、三鷹新川店に在宅の依頼が集中するような状況」という。
竹中氏は「今後も薬局としては、予防と在宅が重点になると思うが、三鷹新川店では引き続きニーズの高い在宅活動に注力していきたい。これからも薬局を展開するような機会があれば、在宅に注力したいと思っているが、採算面からは低コストが不可欠。やはり高機能でコストパフォーマンスの高いファーミーが、パートナーとなるのでは」とする。
竹の葉薬局三鷹新川店 (モイネットシステム)
http://www.moinetsystem.com/