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【薬局業務の効率化と質的向上を目指して】永生薬局(東邦薬品)

2019年07月31日 (水)

自動発注で業務効率化‐時間活用し地域へ貢献

佐藤氏

佐藤氏

 永生薬局は、上野駅から徒歩5分程度の下谷地区に立地している。目の前には地域の中核病院があり、持ち込まれる処方箋はほぼ全ての診療科に及び、患者層も乳幼児から高齢者までと、幅広い調剤に対応している。その一方で、健康フェアの開催やOTC医薬品等の豊富な品揃えなど、地域住民の健康をサポートする機能も充実。健康サポート薬局の認定も受けて地域に貢献している永生薬局の業務において、欠かせない存在となっているのが東邦薬品の「ENIF本部」だ。

適正な在庫維持が可能に

 永生薬局のスタッフは、薬剤師が3人、登録販売者および管理栄養士の資格を持った事務が1人という構成。1日あたりの処方箋応需枚数は約40枚で、月間では1000枚前後となる。このうち8割弱が、同薬局の目の前にある台東区の中核病院の永寿総合病院からの処方箋。同病院は産婦人科、小児科をはじめ、緩和科、精神科なども含めて、ほぼ全ての診療科を有している。残りの2割強は近隣のクリニック等からの処方箋だが、こちらも内科、耳鼻科、歯科、皮膚科、眼科など多岐にわたっている。

二つの自動発注機能を高く評価する

二つの自動発注機能を高く評価する

 システム面では、同薬局は以前より、東邦薬品の薬局業務一元管理本部システム「ENIF本部」を導入していた。店舗業務に必要となる機能のほとんどをサポートするシステムだが、同薬局で薬局長を務める佐藤直子氏は、昨年1月に新しく機能追加された「長期処方薬自動発注」と「需要予測自動発注」という二つの自動発注機能を非常に高く評価する。

 自動発注機能は、発注担当者の経験に頼っていた発注ではなく、日々送信されてくる処方データに基づいた発注を行うことができるという機能。これにより同薬局では、それまで薬剤師が行っていた発注業務がなくなったわけだが、佐藤氏は「薬剤師が行う必要がなくても、薬剤師が行わざるを得なかった発注業務を自動化することができ、薬剤師でなくては行えない業務へ時間を割くことが可能になった」とメリットを強調する。

 同機能は、薬の配送面での貢献も大きい。発注者の経験に頼った発注の場合、1日に数回の配送があり、その都度、発注者が一緒に検品を行い、棚入れするという作業が生じていた。しかし、自動発注機能によって適正な在庫維持が可能となり、配送の回数も激減。「週に1度の配送となれば、1回の配送量は多くなるが、それ以外の日に配送に関連した業務がなくなり、薬剤師として専門性を発揮する業務などに時間を費やせるようなった。こうした点は非常に大きいと思う」(佐藤氏)と語る。

 このようにENIF本部による業務の効率化で生み出された時間を活用し、永生薬局では様々な取り組みを展開している。

永生薬局

永生薬局

 その中で、既に9回を数え、地域住民の間でも定着しているのが「健康フェア」だ。今年4月12日、13日に開催された第9回の健康フェアでは、恒例の血管年齢測定や管理栄養士による栄養相談に加え、特別イベントとして肌年齢測定や柿酢試飲会なども実施している。佐藤氏が「近隣住民の方々にも周知されてきて、リピーターの方も多い」と話すように、地域住民の健康の維持・増進に貢献しているイベントと言える。

 OTC医薬品や医療材料の豊富な品揃えも永生薬局の特徴だ。品数は約400アイテムに及ぶ。佐藤氏は、「当薬局では処方箋なしでOTC医薬品等を買いに来られる患者さんの割合の方が多い」とし、OTC医薬品に関連した相談などにも積極的に応じている。

 さらに、患者・一般市民の目に触れることの少ない疑義照会について、患者の来局から疑義照会、服薬指導までのドラマや意義・解説等で構成した動画や、一包化や軟膏の混合などの調剤について実際の調剤風景や意義・解説等で構成した動画を東京大学大学院薬学系研究科・育薬学講座と共同で作成し、調剤待ち時間に患者にタブレット端末で視聴してもらう取り組みも行っている。薬剤師の仕事を患者・一般市民へ「見せる化」することで、薬剤師の役割について患者・一般市民の理解を得ることができ、より良い薬剤師業務へつながっている。

約400アイテムに及ぶOTCの品揃え

約400アイテムに及ぶOTCの品揃え

 今後の薬剤師の仕事に関して佐藤氏は、「かかりつけ薬剤師として、検査値を見たり、コンプライアンスを確認したり、専門性を発揮しようとした場合、1人の患者さんにかかる時間数は増え、とにかく時間が必要になる」との考えを示す。

 その上で、「ピッキング以外の業務の時間を確保しなければ、これからの薬剤師に期待される専門性を持った役割を果たすことは難しい。薬剤師以外でできる仕事は、薬剤師以外に振り分けていくことも必要になってくると思う」とし、自動発注機能をはじめ様々な機能を備えるENIF本部が、薬剤師が専門性を発揮した業務を行うための時間の確保に大きく貢献していることを強調する。

永生薬局 (東邦薬品)
https://www.tohoyk.co.jp/ja/products/enipharma_series/enif_honbu/



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