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医薬品販売、コンビニ参入で風雲急

2008年8月8日 (金)

 いよいよ今月12日の関東・甲信越地区を皮切りに、今年度最初の登録販売者試験が各都道府県で行われる。これまで本紙が独自に各都道府県から集計した情報では、第1回試験に対して約6万人強が出願している模様だ。来春、完全施行となる改正薬事法で大きく変わる医薬品販売制度の中で、最大のトピックとなる新たな医薬品販売者の認定でもあり、やはり注目の高さがうかがい知れる。

 登録販売者試験は、全国7エリアで、エリアごとに統一の試験日程が設定されている。また、受験地制限がないため、1人で複数カ所での受験も可能。このため、ドラッグストア(Dgs)企業はもとより、大手流通小売業などでも、登録販売者の確保に向け、受験資格のある社員を中心に、複数エリアで受験させるような動きもある。東京都や大阪府の発表では、試験出願者年齢分布は19歳080歳代で、幅広い年代層が試験にチャレンジするという。

 多くのDgs企業が、新販売制度への対応を重要な要素とする。登録販売者の囲い込みや確保の状況次第では、企業間で格差がつく情勢といわれる。特に、薬剤師の雇用が困難な中で、薬種商販売業の許可で店舗展開している企業は、現状の店舗運営を滞りなく行うためにも、相当数の登録販売者の確保が必要となるようだ。

 新販売制度については先月4日の検討会で、販売体制や環境整備に関する報告書がまとめられた。注目された店舗管理者は、第1類薬を販売する店舗は「原則、薬剤師」で落ちつき、医薬品販売上の薬剤師の沽券は保たれた格好になる。しかし、OTC市場の大半は第2類、第3類の医薬品で占める。そうした意味もあり、規制緩和された市場に向け、異業種からの販売参入の動きも表面化してきた。

 今月5日には、コンビニ大手のファミリーマートがOTC医薬品の販売を始める方針を打ち出した。同社によると、薬剤師を配置した2店舗を設置し、そこで社員に実務経験を積ませ、登録販売者の受験資格を得させ、試験に合格すればその社員を別の店舗に配置。さらにその店舗で登録販売者の養成を行い、3年後には約300店舗ほどで取り扱いが可能になるとしている。

 また同日、セブンイレブン等を傘下におく、セブン&アイ・ホールディングスが調剤・ドラッグ大手のアインファーマシーズとの業務提携を発表。これにより、傘下企業での医薬品販売を拡大していく構えだ。

 今や、物販だけでなく、銀行ATM設置など、様々な社会的インフラとして定着してきたコンビニ。緊急性の高い鎮痛剤やかぜ薬の購買ニーズは以前からあったようだが、実際に販売される段階に入ると、医薬品販売の大きな変革を予感させる。今から1カ月ほど前の7月3日付日本経済新聞1面に「風邪薬・鎮痛剤 コンビニ販売可能に 厚労省」の見出しが躍った。「今更、なぜトップ記事?」と首を傾げた。その後のコンビニの医薬品販売参入につながる動きを見ると、改正薬事法の帰結がここにあるかのような雰囲気に一抹の不安を覚える。

 2006年6月に成立した改正薬事法は、小泉純一郎元首相の規制改革の一環で進められたものとはいえ、国民のセルフメディケーションに向け、販売時の相談や情報提供により、医薬品適正使用を推進することが趣旨だ。

 新医薬品販売制度について、後世から「大山鳴動して、コンビニで薬が買えるようになっただけ」と揶揄されないためにも、とりわけ、薬剤師を中心とする既存の医薬品小売薬業関係者は、医薬品の販売姿勢について改めて襟を正さねばならない。OTC医薬品販売は、今や風雲急を告げる状況にあることを認識する必要がある。




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