2007年度のMR(医薬情報担当者)総数が、00年度の調査開始以来、初めて減少し、5万6046人になったことが、医薬情報担当者教育センターがまとめた「07年度MR白書」で明らかになった。また、男性MRが前年度より345人減少し5万人を割る一方で、女性MRは223人増加し6261人となった。白書では、相次ぐ製薬企業の合併による人員調整や、内資系・外資系大手の新薬上市への増員対応が、一段落したことが背景にあるとしている。
CSOへの流動化が進行
調査は、同センターに登録している製薬企業202社と、MR業務受託・派遣企業(CSO)18社の計220社に対し実施されたもので、219社から回答が得られた。
調査結果では、MR総数は00年度の調査開始以来、毎年増加してきたものの、05年度は前年度比0・9%増の5万5701人、06年度は0・8%増の5万6168人と微増で推移、07年度は0・2%減の5万6046人と初めて減少した。
そのうち、製薬企業のMRは5万4142人で、0・6%減となったが、CSOのMRは12・4%増の1904人となり、製薬企業からCSOへのMRの流動化が進んでいることが浮き彫りになった。
また、男性MRは05年度、06年度と2年続けて5万人を超えていたが、07年度は前年度より345人減少し、4万9785人と5万人を割った。しかし女性MRは223人増の6261人と、MR全体の11・2%を占めるなど、女性MR数は引き続き増加傾向にあることが分かった。女性MRの採用企業は132社と全体の65%を占めた。
年代構成をみると、前年度に比べ、20、30、50歳代のMR数が減少し、40、60歳代のMR数が増加した。60歳代が増加したのは、定年延長、再雇用制度の導入が影響したもので、前年度より273人増え、750人となった。また、女性MRの9割弱が20歳代、1割強が30歳代であり、40歳以上は41人となっている。
経験年数構成をみると、経験年数10年未満のMR構成比が、男女共、年々高まり、55%を占めた。特に女性MRに限ってみると、97%以上が経験年数10年未満だった。
専攻分野をみると、文科系出身のMRが最も多く、2万7881人(構成比50・9%)となった。次いで、理科系出身が、1万7067人(31・2%)と続いた一方で、薬剤師MRの占める割合は年々減少し、7709人(14・1%)となった。
製品・領域の担当をみると、MRが全製品を担当する企業は176社で、前年度より10社減少したものの、なお全体の87・6%と大多数を占めている。領域を分けて製品を担当する企業は、前年より15社増えて40社と全体の19・9%となったが、全製品担当と領域分担の両者を置いている企業が15社あり、混在していることが分かった。