◆先日取材した病院は、薬を院内でもらうか院外でもらうかは、患者の自由意思に任せているという珍しい病院だった。病院は通常、院外処方箋発行率を90%前後に高めるか、ほぼゼロに抑えるか、どちらかの戦略を選ぶが、患者の自由意思に委ねると発行率は何%になるのか
◆気になる答えは約42%。同院の薬剤部長は「地域の薬局薬剤師には『これが国民が評価した現在の医薬分業の通信簿だ』と伝えている」と話す
◆患者10人のうち6人が院内で薬を受け取り、4人が院外でもらうことを希望する。薬局薬剤師の努力や関わりがまだ足らないとも言えるし、意外に善戦しているという見方もできる。人によって受け止め方はそれぞれだろう
◆いずれにしても、全国平均で90%前後に達した院外処方箋発行率と、自由意思に委ねた場合の発行率には乖離がある。国民の要望に基づくものではなく、国策として医薬分業が進められたことを示しているが、その差を縮める努力を続けなければ、医薬分業へのバッシングが再燃しかねない。
院内と院外、患者が選ぶのは
2021年07月30日 (金)
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