日本CRO協会(中村和男会長)は、9月12日に実施した「第1回日本CRO協会モニター教育研修修了認定試験」の結果を発表した。それによると、協会所属のモニター1985人が受験し、合格者は1903人、合格率95・9%(平均点96点)だった。結果について中村会長は、「CRO各社のモニターが会社を背負って受験したので、予想以上に合格者が多く驚いている。しかし、95%以上の受験者がモニタリング業務を実施する上で、最低限のGCP上の知識習得・理解ができていると評価され、嬉しい誤算ではあったが、協会として安心した部分もある。協会各社のモニターは合格したことだけに満足せず、知識習得に基づいたモニタリング業務本来の目的を再認識し、さらなる努力を重ねてもらいたい」と、コメントしている。
認定試験は、1時間半100問のマークセンス方式で、合格点に関しては、試験の監修を務める千葉大学大学院薬学研究院の黒川達夫特任教授と、東京慈恵会医科大学医学部の景山茂教授が、度数分布表、標準偏差等のデータを分析の結果、86点と決定した。
黒川氏は、「CRO協会が初めて実施する認定試験ということで、試験問題はGCPの基本に徹し、GCPの骨格をしっかり押さえた内容とした。しかし、CRO各社の競争意識も働いたのか、受験者が大変よく勉強したという印象を持っている。モニターにとっては、この認定試験の合格は将来への大きな励みとなり、次のステップに向けて、さらに研鑽を積んでほしい」との見解を示した。
また景山氏は、「モニターにとって必須のGCP条項を、満遍なくカバーした試験問題のレベル以上に、受験者がよく勉強したと思うが、出題形式や解答選択肢の作り方には、今後検討の余地があろう。当面は、モニター各々が真面目に取り組めばできるという、自信を持つことが大切だと考えるが、将来的には、想起レベルの試験に応用問題を少し加えるなど、発展的拡大を期待している」と講評を述べた。