サノフィが2型糖尿病治療薬「リキスミア皮下注300μg」(一般名:リキシセナチド)を発売した。基礎インスリンとの併用が可能な国内初のGLP‐1受容体作動薬。食事療法・運動療法に加えてスルホニウムウレア(SU)剤や持効型溶解インスリン・中間型インスリンを使用して効果が不十分な場合、1日1回朝食前に皮下注射する。
リキシセナチドとして1日10μgから開始し、1週間以上投与した後に15μg、さらに1週間以上後に20μgへ増量する。患者の状況に応じて適宜増減するが、20μgを上限とする。
基礎インスリンを併用したプラセボ対照臨床試験の結果、朝食後2時間の血糖値の変化量はリキシセナチド群が137・3mg/dL減に対してプラゼボ群18・4mg/dL増となっている。また、リキシセナチド群のHbA1cの達成率は7・0未満が31・4%、6・5%以下が12・9%だった。体重は0・85kg減だった。
ただし、SU剤の有無による低血糖頻度を調べると、SU剤を使った群は3・02人/年、使わない群は1・37人/年で、重症低血糖は見られなかったものの、「SU剤を使った時には特に注意が必要」(清野裕関西電力病院長)という。
なお、サノフィはリキスミアと持効型溶解インスリンアナログ製剤「ランタス」との合剤を開発する方針。