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臨床現場は後発医薬品メーカーの選別を‐白神日大教授が指摘

2006年07月20日 (木)

白神誠氏
白神誠氏

 日本大学薬学部教授の白神誠氏は、大阪で開かれた医療薬学フォーラム2006で、「ジェネリック医薬品をめぐって‐情報提供を中心に」と題し講演、臨床現場から後発品に対する批判の声が聞かれるが「誤解に基づくものが結構あるのではないか」と述べ、生物学的同等性や情報提供、厚労省の使用促進対策などについて解説した。その上で白神氏は、後発医薬品にも企業間格差があるとし、後発品は悪いと一括して捉えるのでなく、対応が悪いメーカーを排除していくことが重要ではないかと話した。

 白神氏は、処方せん様式の変更など厚労省の使用促進対策やDPC病院の拡大によって、後発医薬品の使用拡大が今後見込まれるとしながらも、依然として臨床現場には「後発医薬品の使用にためらいがある」と指摘した。

 品質、流通、情報提供について批判があるが、誤解に基づくものも少なくないと言及。実際に、大学病院の薬剤部長や薬科大学教授が『生物学的同等性の試験をせずに認められているから効果に不安がある』と話すのを聞いたとし、「いろんな議論をされるのは結構だが、間違った情報のもとに議論がされているとすれば非常に問題だ」と懸念を表明した。

 白神氏は「後発医薬品における先発医薬品との同等性は、溶出試験で確認されているだけと誤解されやすいが、後発医薬品の承認申請に当たっては原則としてヒトでの生物学的同等性の試験成績提出が義務付けられている」と強調。

 『ヒトでの生物学的同等性試験は被験者間のバラツキが大きく信頼できない』という指摘に対しては、「生物学的同等性の判定基準は、標準製剤のバイオアベイラビリティの80%未満又は125%を越える製剤が95%の確率で不合格となるように設定されている。出てきた試験結果にある程度の信頼を置いてもいいのではないかと考えられる」と解説した。

 一方、生物学的同等性の情報が無いと誤解されやすい背景について白神氏は、添付文書にその情報が記載されていないためではないかとした。2008年3月末までにその試験データを添付文書に記載するよう求めた通知が今年3月に厚労省から出されたことを示し、今後は「データがないという誤解はなくなると思う」と話した。



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