【シスメックス/阪大】「神経発達・変性疾患共同研究講座」を開設‐病態解明や新たな診断技術の開発目指す

2025年06月17日 (火)

 シスメックスは12日、同社と大阪大学が、同大大学院連合小児発達学研究科に「神経発達・変性疾患共同研究講座」を5月に開設したと発表した。同研究講座では、神経発達症ならびに神経変性疾患における新規バイオマーカーの研究開発を通して、神経発達症や神経変性疾患の病態解明および新たな診断技術の確立を目指していく。

 近年、神経変性疾患における計測技術の目覚ましい進展で、アルツハイマー病(AD)を代表とする認知症の新しい治療薬および診断法の開発が進んでいる。今後さらに、病態メカニズムの解明が進み、疾患の進行度を的確に判別できる診断法や適切な治療を提供できる診断法の実現が期待されている。

 シスメックスは、蛋白質の高感度測定に関する研究開発を進め、ADの早期に見られる脳内アミロイドβ(Aβ)の蓄積状態を微量の血液から調べる検査試薬を、日本、米国、欧州で販売している。また、Aβの蓄積に続いて生じるタウタンパクの蓄積状態を調べるバイオマーカーの研究開発にも取り組み、神経変性疾患における低侵襲かつ簡便な検査・診断技術の確立に向けた活動を推進している。

 阪大は、神経発達症および神経変性疾患における幅広い臨床知見と世界有数のブレインバンクを有し、ADのみならず、前頭側頭型認知症(FTD)、筋萎縮性側索硬化症(ALS)などの疾患や、小児期から発現する自閉スペクトラム症(ASD)の病態メカニズムの解明およびバイオマーカーの探索研究を進めている。

 今回開設された共同研究講座では、脳脊髄液や脳の病理切片と血液中のバイオマーカーの関係性を調べ、神経細胞の障害・変性や神経ネットワークの障害に共通する新たな機構を見出し、神経発達症や神経変性疾患の診断への応用に取り組んでいく。

 両者が協働することで、ADの血液検査の臨床実装を加速させ、さらにALSやASDなどの神経発達症や神経変性疾患に対する新しい診断法の早期実現を目指していく。

 共同研究講座の「研究統括・責任者」は連合小児発達学研究科長の片山泰一教授、「共同研究責任者」は神経発達・変性疾患共同研究講座の長野清一特任教授(常勤)、「ブレインバンク責任者」は神経発達・変性疾患共同研究講座の村山繁雄特任教授(常勤)。設置期間は、今年5月から2028年3月。


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