
日本薬剤学会名誉会長で、星薬科大学の学長を務めた永井恒司氏が6日に死去した。91歳。葬儀は遺族の意向により近親者のみで執り行われた。
日本薬剤学会によると「追悼の意を表する場を設ける予定で、詳細については後日改めて案内する」としている。
永井氏は、1956年に東京大学医学部薬学科を卒業後、61年に同大学院博士課程を修了。同製剤学教室助手を経て、71年には38歳の若さで星薬科大学薬剤学教授に就任した。
84年に日本薬剤学会を創設して初代会長を務めたほか、86年には日本人として初めて国際薬学連合(FIP)から金メダル科学賞ヘスト・マドセンメダルを受賞した。
また、DDS研究の第一人者として、日本DDS学会の創設に関わり、ジェネリック医薬品協議会の初代理事長、シクロデキストリン学会の初代会長も務めた。また、教育者として2001年から04年まで星薬科大学学長を務めた。
1986年には永井記念薬学国際交流財団を創立し、薬学に関する国際的な研究交流の推進に尽力し、薬学研究の発展にも貢献した。FIPの国際的な活動にも関わり、2011年には日本人4人目の名誉会員として表彰され、14年にはFIPフェロー賞を受賞している。