市販後トータルサービス開始‐承認申請前から戦略支援

関根氏
シミックは、グループ内の幅広いサービス提供体制を生かし、開発から市販後までシームレスに進める「市販後トータルサービス」を開始した。日本の市販後対応の経験が少ない海外ベンチャーはもちろん、市販後業務の外注により社内リソースの効果的活用を望む企業を対象に、承認取得後を見据え、必要な調査や安全性情報管理(PV)業務など市販後全般の戦略を承認申請前から支援する。
シミックは臨床開発から市販後の安全性監視活動などをサポートする他、グループ各社によりコンタクトセンター、メディカルアフェアーズ業務、営業・マーケティング、ペイシェントソリューションなども支援できる体制にある。
サービスの幅の広さは魅力だが、顧客側の担当者も分かれる。そのため、顧客が抱える困りごとへの気づきや対応が十分にできているのかとの課題意識があったという。そこで同社は、サービスの棚卸しを行い、再構築した。
それが今回始めた「市販後トータルサービス」だ。

国内外のベンチャーなど小規模事業者は市販後に必要な業務の準備まで手が回らず、不安を持っていると見た。
そこで同社はまず、市販後に必要なサービスの相談に乗るため社内に「市販後トータルサービスコンシェルジュ」を新設した。顧客の困りごとやニーズを把握した上で関係サービス部署につなぎ、顧客のニーズに合った効果的なサービス提供を描く。
新設するコンシェルジュについてシミックの関根恵理副社長は、「市販後の業務に深い知識を持ち、顧客に寄り添って話ができる人材を配置する。育成を進め、増員を図っていきたい。現在開発支援している企業様が承認取得後、シームレスに市販後のPV関連業務やエビデンス構築ができるようにサポートしていきたい。顧客も将来の見通しができ、業務計画も立てやすくなると考えている」と話す。
PV業務では、近年の潮流である関連業務の自動化にも同社は対応している。
3月、有害事象情報の幅広い情報源からの自動収集、データベースへの自動取り込み、解析、当局報告までの業務の一部を自動化するソリューション「UltraIntake(ウルトラインテイク)」の利用サービスを開始した。
インドのITシステムコンサルティング企業ウルトラジェニックが開発したものを日本の規制に合わせて共同開発したソリューションだ。
市販後トータルサービスの開始にあたり関根氏は、「顧客に寄り添った支援をさせていただきたい。各社の方針、製品の性質、疾患領域、臨床現場での使用実態などを考慮した柔軟なアプローチが必要であり、その相談相手としてお声がけいただければと思う。特に日本で上市経験のない企業様にはゼロから支援させていただくので、遠慮なく問い合わせを」とメッセージを送る。
シミック
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