オリンパスは9月30日、本日、人工知能(AI)を搭載したコンピューター支援診断(CAD/AI)ポートフォリオ「OLYSENSE」(オリセンス)を、米国および欧州で発売した。オリンセスは、AI技術を活用し、病変の早期発見や臨床成果の向上、診療・業務フローの効率化を支援することで、患者ケアの質の向上が図れる。

同社は、クラウドベースで統合され、柔軟に拡張可能なアプリケーション群「オリンセス」を通じ、次世代の内視鏡エコシステムの展開に取り組んでいる。第一弾として、日本国内では医薬品医療機器法等に基づく承認は得ていないが、次の三つのアプリケーションを提供し、上下部消化管における病変の検出・診断・解析をサポートする。
▽CADDIE(キャディー):大腸内視鏡検査において、結腸ポリープの検出および特性評価を支援するクラウド型AIソリューション。豊富なデータセットで学習されており、大型ポリープや鋸歯状病変(SSL)といった発見が難しい病変も含め、内視鏡映像を解析して病変の同定をサポートする。
▽CADU(キャドゥー):バレット食道患者における異形成の検出を支援するクラウド型AIソリューション。内視鏡画像上で異形成の可能性が高い部位を特定・強調し、医師の診断精度向上をサポートする。
▽SMARTIBD(スマートアイビーディー):潰瘍性大腸炎の客観的評価をMAYOスコアに基づき支援するクラウド型AIソリューション。内視鏡画像の視覚的特徴を解析し、診断の主観性を低減する情報を提供する。
三つのアプリケーションはいずれも、同社の内視鏡システム「EVIS X1」などとシームレスに連携し、医療現場でのスムーズな導入を可能にする。また、クラウドを通じて常に最新のソフトウェアにアクセスできる。
欧州では、CADDIE、CADU、SMARTIBDが欧州医療機器規則(MDR)に基づくCEマーク認証を取得し、CADDIEは大腸ポリープに対する検出(CADe)および診断(CADx)の両方を対象としている。米国では、CADDIEの大腸ポリープに対するCADe機能のみが米国食品医薬品局(FDA)から510(k)認可を取得している。
同社は、オリセンスを通じ診療および業務ソリューションを統合し、消化器内科ユニット全体のシームレスなデータ接続や病院システムとの連携を実現することで、インテリジェント内視鏡エコシステムの実現を目指していく。さらに、長期的なビジョンのもと、オリンセスを段階的に拡張し、世界中の医師の進化するニーズに応じた新機能を提供していく。
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