ニプロは20日、同社の持分法適用関連会社である米国のSpryte Medical(Spryte)が、米国食品医薬品局(FDA)から、主要な臨床試験「INSYTE」の開始に向けた治験医療機器の適用免除(IDE)の承認を取得したと発表した。この試験は、同社の世界初となる脳血管内の光干渉断層撮影(nOCT)イメージングシステムを用いた、頭蓋内動脈瘤治療時の安全性と有効性を評価するもの。
同試験は、脳血管専用の血管内光学イメージングシステムとして、FDAが初めて承認した臨床試験。SpryteのnOCTイメージングシステムは、高解像度の光干渉断層撮影技術を用い、従来のイメージングモダリティでは困難だった頭蓋内の血管壁や治療デバイスを、臨床医にミクロンレベルで提供できるといった特徴を有す。
同試験は、世界的な脳血管疾患の専門医であるDr. Demetrius Lopes(イリノイ州シカゴ)およびDr. Ricardo Hanel(フロリダ州ジャクソンビル)の両氏が共同治験責任医師を務める。
Advocate Healthの脳血管外科・脳血管インターベンションのディレクターであるDemetrius Lopes氏は、「脳動脈の内部で何が起きているかを見る手段が長らく求められてきました。nOCT血管内イメージングは、頭蓋内動脈瘤の評価と治療を根本的に変える可能性があり、これまでにない精度で治療デバイスの留置を最適化できるでしょう」と述べている。
Baptist Neurological InstituteのディレクターであるRicardo Hanel氏は、「血管疾患、埋め込み型医療機器、治癒過程を動脈内から可視化できることは、動脈瘤治療に新たな次元をもたらします。INSYTE 試験は、脳動脈瘤の患者さんの標準的治療を再定義し得る技術を検証する機会となります」とコメントしている。
Spryteは、INSYTE試験の最初の患者の組み入れを2026年初頭に予定している。
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