シスメックスはこのほど、グループの成長持続とそれを支える経営基盤の強化に向け、2029年3月期を最終年度とするグループ中期経営計画(新中期経営計画)を策定した。新中期経営計画では、23年に策定した「長期経営戦略2033」ならびに長期ビジョン「より良いヘルスケアジャーニーを、ともに。」の実現に向け、今後3年間で取り組むべき重点テーマを定め、具体的な施策を推進していく。
「長期経営戦略2033」の実現に向けた最初の3ヵ年計画であった前中期経営計画では、ヘマトロジー分野フラグシップモデルの市場導入の加速、Siemens Healthineers社とのグローバルOEM契約による欧米での血液凝固検査分野製品の直接販売拡大など、今後の成長を牽引する事業基盤整備を進めてきた。また、新興国への積極的な資源投資により、インド、ブラジル、中東、アフリカなどの地域で計画を上回る成長となった。これらの取り組みを通し、25年3月期には売上高5000億円を超え、売上高・営業利益ともに過去最高を達成している。
一方で、中国の医療政策転換、グローバルでの規制対応の高度化、競争激化、インフレなどの影響により、収益性・効率性に課題が顕在化し、当初想定した収益水準に達しない分野も生じている。
そうした環境に加え、現在のヘルスケア市場では、先進国における医療費抑制、新興国・開発途上国での医療アクセス向上が進む中、デジタル技術・AIへの期待が高まり、医療経済性と効率性の向上が求められている。一方で、地政学リスクやAI・人材競争など外部環境の不確実性も増大している。
こうした環境変化に対し、同社はそれらを脅威ではなく、今後の確かなビジネス機会と捉えている。強みであるダイアグノスティクス事業の成長、経営体質の改革加速に重点を置き、ポジションの維持・強化を図るため、新中期経営計画を策定した。同社の強みにAIなどの新たな技術を掛け合わせ、未来の大きな成長につながる飛躍の3年間と位置づけている。
重点的に取り組むテーマとして、▽ダイアグノスティクス事業の競争力強化▽医療DXとデータ活用の推進▽バリューチェーン改革による収益性向上▽財務・資本戦略の再設計――の四つを掲げ、29年3月期の売上高目標として6000億円以上を目指していく。
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