富士経済は、仮想ショッピングモールがけん引しECへの集約が進む中、若年層でのライブコマースの定着や中国系越境ECの利用の広がりなども見られる通販の国内市場を調査し、その結果を「通販・e‑コマースビジネスの実態と今後2026」にまとめた。それによると、ECを中心に拡大の続く国内の通販市場は2040年には20兆円に迫ると見通した。
同調査では、通販形態別、商品カテゴリー別の通販市場の分析に加え、購入者の属性(男女・世代別)別トレンドや成長性、量販店やCVSなど主要な小売業態における通販の位置づけを明らかにし、2040年に向けての通販市場の見通しを示した。
調査結果の概要によると、2025年は米価格高騰を筆頭に食料品や日用品などの値上げが続き、実質賃金も前年を下回るなかで節約志向が一層高まり消費行動の停滞感につながった。通販市場でも消費マインドの低下がみられたものの、前年まで見られたコロナ禍以降の店舗回帰が一段落したことや、仮想ショッピングモールでの大型セールなどにより需要が喚起されたことで市場は引き続き拡大した。
また、InstagramやTikTokなどSNS上での情報収集が主流となっている若年層で、TikTok Shopなどライブ動画をみながらリアルタイムで商品を購入できる双方向型のオンライン販売であるライブコマースが定着しつつあるほか、Temu、SHEINといった低価格を売りにした中国系越境ECの利用が広がるなど新たな需要を開拓している。
商品カテゴリー別では、食品・生鮮品や生活雑貨といった最寄り品が、短時間配送や受け取り方法の多様化による利便性向上などで好調なほか、家電製品・パソコンがOSサポート終了による買い替え、猛暑によりエアコン需要が増加したことから、ECでの販売も好調で、市場をけん引した。
通販形態別では、EC比率が9割に達している。25年は節約志向が高まるなかで市場をけん引する仮想ショッピングモールが大型セールやポイント還元などのキャンペーンにより利用者を取り込んだ。今後は仮想ショッピングモールに加えて、メーカーや小売店など幅広い企業がECをCRM施策の基盤として活用する動きが想定され、店頭からの需要シフトも一層進むと考えられている。
カタログ通販やテレビ通販、ラジオ通販などは、中高年からシニア層で定着しているが、近年はシニア層においても利便性の高いECが普及しており、既存顧客の流出や新規顧客獲得の低迷により市場縮小が続いている。ECへの集約が進むことで、企業・サービスを横断した商品・価格比較が進むため、顧客の維持・獲得に向け、購買体験の創出が求められている。
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