中央社会保険医療協議会は21日の総会で、2010年度診療報酬改定の結果を検証するために、後発品の処方・調剤、チーム医療関連点数の導入影響など11項目について、調査することを固めた。改定結果検証部会で、今年度後半から来年夏頃まで、年間5、6項目を調査し、次期改定の議論に反映させる。
検証対象とする11項目は、改定の答申附帯意見を踏まえ、検証部会が整理して提案した。総会では、項目そのものに対する異論は出なかったが、支払側は、患者の視点で改定効果を把握する質問を盛り込むよう要望した。
また、診療側の嘉山孝正委員は、検証部会で対応するテーマ以外にも、実態把握が必要な項目があると指摘し、診療側で整理して中医協に提出する考えを説明。さらに、西澤寛俊委員は、附帯意見に盛り込まれた課題の検討に取りかかるために、診療報酬基本問題小委員会の早期開催を求めた。
検証部会は、調査の実施時期や視点などの基本的な枠組みを決めた上で、改めて要綱を総会に示す。
このほか総会では、診療側の安達秀樹委員が、高額薬剤のDPCにおける取り扱いで、包括点数の対象外とするほど高額でない場合でも、他の薬剤に比べ高額なため、医療機関の持ち出しになるケースがあると指摘。遠藤久夫会長も問題認識を示し、事務局に実態の精査を指示した。
厚労省によると、改定前に包括対象外となっていた高額薬剤は23件。4月以降は、このうち16件について、診断群分類に新たな分岐を設けて包括化し、3件を既存分類の包括点数に移行させたが、4件はデータ不足で引き続き出来高に残っている。
結果検証項目
[1]救急医療の充実・強化のための見直しの影響[2]病院勤務医の負担の軽減・処遇改善に係る措置の影響[3]チーム医療に関する評価創設後の役割分担の状況や医療内容の変化[4]精神入院医療における重症度評価導入後の影響[5]在宅歯科医療・障害者歯科医療の実施状況[6]歯科技工加算の創設による影響[7]明細書発行の原則義務化後の実施状況・影響[8]外来管理加算の要件見直し・地域医療貢献加算の創設による影響[9]リハビリテーション見直しの影響[10]在宅医療の実施状況・医療と介護の連携状況[11]後発品の処方・調剤の影響