
土屋社長
田辺三菱製薬の土屋裕弘社長は12日、大阪市内で開いた決算説明会で、子会社「バイファ」の承認申請データ改ざん問題に言及。再発防止を目的に、6月22日付で社長直轄組織のメドウェイ問題対策室を新設し、現在策定中の業務改善計画を着実に実行していく方針を明らかにした。
土屋氏は、業務停止期間の解除に当たって「グループ全員が患者さん、医療関係者、社会の信頼回復に最大限努力したい」と述べ、社長直轄のメドウェイ問題対策室を新設し、現在策定中の業務改善計画の推進や進捗管理を実施する方針を示した。その上で、生命関連企業として、「安全性と品質の確保」の観点から業務の再点検を推進し、社外調査委員会の提言も踏まえ、業務改善と再発防止に最優先で取り組む姿勢を表明した。
また、5月から当面の間、土屋氏をはじめとする役員全員が月額報酬を最大50%自主返上するとし、下宿邦彦副社長の取締役辞任、取締役相談役を務めていた前社長葉山夏樹氏と前副社長小峰健嗣氏の退任を発表し、「経営体制の刷新」を強調した。
行政処分の業績への影響については、「特に年度前半の見通しで、不確定要素が大きい」とする一方、11年度以降の方向性にも言及。「パイプラインの一層の充実、新製品上市の布石を打って、さらなる前進を目指したい」と抱負を語った。
現在、同社の長期収載品割合は40%に上るが、今後は「さらに、後発品を販売する田辺製薬販売への長期収載品移管を推進し、新薬を扱う本体との棲み分けを進めたい」と述べた。