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【製薬大手4社・10年3月期決算】2010年問題が顕在化‐米国で主力品が大幅減少

2010年5月17日 (月)

 国内大手製薬企業4社の2010年3月期決算(連結)が14日に出揃った。トップの武田薬品は、円高と主力品の米国特許切れが直撃し、減収となった。アステラス製薬、第一三共、エーザイの3社は円高を吸収し、増収を確保。特に第一三共は、ランバクシーの通期売上が寄与し、二桁増収となった。一方、利益面では、武田と第一三共が増益を確保したのに対し、研究開発費が膨らんだアステラス、エーザイは減益となった。海外で売上を伸ばしてきた大手4社だが、武田は“2010年問題”が顕在化。アステラス、エーザイも主力品で大きく売上を減らすなど、耐えの時期を迎えた。


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 売上高を見ると、国内トップの武田は、円高の影響が直撃し、国際戦略製品の2型糖尿病治療剤「ピオグリタゾン」が0・6%減、高血圧治療剤「カンデサルタン」が3・6%減、米国で特許切れしたTAPの消化性潰瘍治療剤「ランソプラゾール」は19・6%減と、後発品の影響が表面化し、全体では4・7%の減収となった。

 同様に2010年問題を抱えるアステラスは、主力の免疫抑制剤「プログラフ」が米国で後発品の影響を受け、7・1%減となったものの、グローバル製品の過活動膀胱治療剤「ベシケア」が15・3%増、抗真菌剤「ファンガード/マイカミン」が23・6%増と伸長。国内の主力製品群も売上を拡大し、1・0%の微増収を確保した。

 エーザイも、抗潰瘍剤「パリエット/アシフェックス」が米国で後発品の影響が大きく、7・4%減と落ち込んだが、主力のアルツハイマー型認知症治療剤「アリセプト」が6・3%増と伸長し、2・7%の増収となった。

 これに対し、主力品の特許切れ影響が小さい第一三共は、主力の高血圧治療剤「オルメサルタン」が12・9%増と好調に推移した上、子会社化したランバクシーの通期売上1467億円が寄与し、海外売上高が大幅に拡大。13・1%の二桁増収となった。

 海外売上で業績を牽引してきた各社だが、武田、アステラス、エーザイに2010年問題が顕在化。武田は減収となったが、増収を確保したアステラス、エーザイにも、主力品の特許切れの影が映し出されたのに対し、第一三共はランバクシーの寄与で売上を伸ばす対照的な決算となった。

 一方、利益面は、武田と第一三共が買収関連の費用が大幅に減少し、増益を確保。前期に最終赤字を計上した第一三共は、黒字に転じた。アステラスは研究開発費が膨らみ、エーザイは米アカラクスの買収に伴うインプロセス研究開発費を計上したことから、減益となった。

 営業利益を見ると、武田はTAPとミレニアム買収に伴うインプロセス研究開発費が大幅に減少し、37・1%増。第一三共は、研究開発費の増加を販管費の圧縮でカバーし、7・5%増となったが、アステラスは「プログラフ」の減収で売上原価が上昇。製品導入などの増加で研究開発費も膨らみ、25・6%減。エーザイもインプロセス研究開発費の計上が響き、5・9%の減益となった。

 11年3月期は、第一三共がランバクシーと新製品の寄与で増収予想。エーザイも微増収を見込むが、「アリセプト」の米国特許切れに直面し、後発品の浸透が始まる。武田とアステラスは、米国特許切れのマイナス影響が大きく、減収予想と厳しい見通しだ。さらに、インプロセス研究開発費の計上がなくなるエーザイを除き、各社とも研究開発費、販管費の増加が利益を圧迫し、減益を予想。本格的に2010年問題の逆風に耐える時期を迎える。




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