ソーシャルリクルート時代へ‐フェイスブックでアピールを

肥田氏
Web求人サイトの掲載料金をいち早く閲覧課金制に移行させるなど、種々の先駆的取り組みを進めて、この業界リーダーの地位を確固たるものにしたグッピーズだが、ついに「Facebook」(フェイスブック)によるソーシャルリクルーティングに着手した。肥田義光社長は、フェイスブックによって、リアルタイムな情報シェアと実名制による人と人との信頼できるネットワーク構築などの優れた特徴を説明し、これからの主流となるフェイスブック時代に乗り遅れないことが重要だと強調した。
同社では昨年、薬剤師の動きが鈍っているにも関わらず、登録数やアクセス数がともに増加した。大手のほとんどが利用し、中小薬局の求人件数の多さなど、求人サイトではライバルがいないほどである。
1年ほど前から、フェイスブックでの情報のやりとりを始め、社員全員にアカウントを持たせてノウハウを蓄積してきた。現在は顧客に対してフェイスブックの導入を訴えているところだという。フェイスブックは実名制なので情報の信頼性が高く、「いいね!」をクリックすると関係する人や情報とつながり、リアルタイムで情報を共有(シェア)できることが大きな特徴だ。
薬局などではホームページを開設しているところも多いが、アクセスを期待する「待ちの姿勢では発信力が弱い」と指摘する。フェイスブックでは、情報が勝手に入ってくるので情報量が格段に違い、待ちの姿勢ではなく積極的に薬剤師に対してアピールできることが強みだ。
ソーシャルメディアは個人情報について心配する声もあるが、フェイスブックはセキュリティに関しても情報の選択やグループごとにフィルターをかけられるので安心できる。肥田氏は、「フェイスブックでは、リアルタイムで情報のやりとりや意見交換ができるため、人と人とのつながりがどんどん広がり、しかも緊密になっていくことがメリットだ」と、ITを駆使しながらも人と人との信頼関係を重視する同社らしい。「今後、フェイスブックによって情報格差が拡大し、採用力の格差も拡大していく。フェイスブックで情報を発信しない企業は衰退するのではないか」と読む。
グッピーズは、あらゆる雇用形態の採用ページをフェイスブックで作ることができるソフト「Jinz」を立ち上げている。これによって、自社ホームページへの誘導、採用などの関連情報、各種イベントを紹介できる。この対応の早さは、パイオニアを自負してきた同社ならではだ。
肥田氏は、国内フェイスブック利用者は現在の約700万人から、1年後には2000万人くらいまで伸びるだろうと見ており、「フェイスブックでホームページを作った方がメリットは断然大きい。ぜひ当社に相談いただきたい」と訴えかけている。
なお、肥田氏のフェイスブックに対する考えと解説については、昨年上梓した「なぜフェイスブックで優秀な人材が採用できるのか?」(幻冬舎)を参照のこと。
グッピーズ
http://www.guppy.jp/