国立医薬品食品衛生研究所再生・細胞医療製品部と藤田医科大学の研究グループは、ヒトiPS細胞株の分化傾向を予測するためのマーカー遺伝子として、SALL3を同定した。ヒトiPS細胞でSALL3の未分化状態での発現量を測定することにより、相対的に発現量が高い細胞株は外胚葉に分化しやすく、逆に発現量が低い細胞株は中・内胚葉に分化しやすいことが予測できるとしている。
ヒトiPS細胞は多分化能を持つことから、全ての胚葉(内胚葉・中胚葉・外胚葉)に分化できるが、各胚葉への分化のしやすさ(分化傾向)は細胞株間でバラツキがあることが明らかになっている。そのため、目的細胞に分化しやすい細胞株を選択することは、ヒトiPS細胞由来製品を製造する上で重要なポイントになると考えられる。
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