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米食品医薬品局(FDA)は1月8日、新型コロナウイルスに対する抗原の有無を確認するための家庭用迅速抗原検査キットに付属する綿棒(スワブ)は、鼻腔に入れて検体を採取するためのものであり、喉から採取するために使うべきではないとする注意喚起を、Twitterを通して行った。FDAは、鼻腔用の綿棒を用いて喉から検体を採取し、その結果を、#SwabYourThroatというハッシュタグを付けてその結果をソーシャルメディア上に公開している人々がいることを受け、今回の対応に至ったと説明している。
米国でFDAにより緊急使用許可(EUA)が与えられている家庭用迅速抗原検査キットの中には、OTC医薬品として入手できるものも少なくない。家庭用検査キットを用いた喉からの検体採取は、喉から採取した検体を用いた方がオミクロン株を検出しやすいとする初期の研究報告を受けて、広まりを見せるようになったという。
FDAの広報担当者は米CNNに対して、「綿棒を使った喉からの検体採取は鼻腔からの採取よりも複雑であり、採取の仕方を誤ると害を及ぼす可能性がある。FDAが、喉からの検体採取に関して安全上の懸念を指摘したのはこのためだ。FDAでは、新型コロナウイルスに対する検査キットを、使用説明書に書かれてある方法で検体を採取することを含め、FDAが許可した通りに用いるべきことを勧告している」と説明。米疾病対策センター(CDC)も、喉の検体採取は、訓練を受けた医療従事者が行うことを推奨している。
喉からの検体採取は、一部の国では一般的であるが、米国で流通している新型コロナウイルス検査キットのほとんどは、鼻から検体を採取して検査する仕様となっている。
米イェール大学公衆衛生大学院の小児科医で感染症の疫学者であるSten Vermund氏は、「現時点ではデータは欠如しているものの、今後、喉からの検体採取が、検査用の検体を集める有効な手段であることが判明する可能性もある」と話している。(HealthDay News 2022年1月10日)
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https://twitter.com/US_FDA/status/1479548116684709890