
あすかアクタビス製薬・山口雅夫社長
あすか製薬とアイスランドの大手ジェネリック医薬品(GE薬)企業「アクタビス」は1日、合弁会社「あすかアクタビス製薬」を設立し、国内でのGE薬事業を本格的にスタートさせた。新会社の社長には、あすか製薬代表取締役専務取締役の山口雅夫氏が就任。2015年までに売上高100億円を目指す。同日会見した山口氏は、「10年11月頃に国内市場へ新製品を投入したい」との方針を語った。
新会社では、あすか製薬の重点4領域(内科、泌尿器科、産婦人科、耳鼻科)以外のGE薬を販売する。アクタビスから原薬の供給を受け、日本でGE薬を製造することにより、高品質な製品群を日本市場に投入する方針だ。販売体制は、武田薬品の流通網を活用し、当面はMR50人体制で営業活動を展開する。その中で、アクタビスがグローバルに収集した市販後安全性情報も提供していく。
今後は、少なくとも50~100品目の品揃えを急ぎ、15年に売上高100億円、20年には売上高500億円以上を目指す方針だ。山口氏は「7月に承認申請を行い、10年11月頃には新製品を上市させたい」と見通しを述べた。
あすかは新薬に集中、5年以内に役割を整理

あすか製薬・山口隆社長
一方、あすか製薬は、新会社の設立を受け、重点4領域の新薬開発とGE薬開発・販売に特化する。あすか製薬の山口隆社長は、「新薬はあすか製薬、GE薬はあすかアクタビスという新しいビジネススタイルができた。両社が並列でシナジーを生み出し、グループとして大きな成果を上げたい」と意気込みを語った。
当面は、重点4領域以外のGE薬についても、あすか製薬が承認を取得し、販売を行っていくが、順次あすかアクタビスに移管する。あすか製薬グループは、13年に売上高500億円の実現を目指しているが、5年以内には、あすか製薬のビジネスを新薬開発中心に集約したい考えだ。山口隆氏は、「合弁会社との役割分担は、7月に策定する次期中期経営計画で整理したい」との方針を明らかにした。
さらに、アクタビスの世界60ヵ国に及ぶ販売網を活用した海外展開を目指す。まず、新興国にGE薬を販売する方向で検討を開始する。将来的には、他社とのアライアンスによる海外での新薬開発に乗り出す可能性も視野にあるようだ。
一方、バイオシミラーへの対応について、山口隆氏は「新薬の柱の一つと位置付けている」と明言。「バイオシミラーは、あすか製薬として産婦人科領域の製品を出していきたい」との方針を明らかにした。