高い正確性と科学性に自信‐メディカルライティングと連携

安藤氏
ウィズウィグは、新薬臨床試験関連文書の翻訳と、メディカルライティングを連携したサービスの提案に取り組む。翻訳の正確性と、メディカルライティングによる科学性を高めるブラッシュアップと、それぞれ定評のあるサービスを組み合わせることで、より治験実施施設や当局の担当者が読みやすい文書にする。
安藤惣吉代表取締役は、「1994年に設立した私たちは、NASAのデータベース構築事業から始まり、翻訳精度に関し非常に厳しい要求に応えながら取り組んだ。そこで培った文章を科学的に正確に読み込む技術に裏打ちされた翻訳精度の高さに加え、臨床現場、当局がより読みやすい資料に仕上げる高品質の翻訳サービスを常に目指している」と話す。
同社は、NASAの信頼を勝ち得ただけでなく、海外の有名な医学教科書の翻訳などの医学書翻訳、新薬承認申請関連翻訳に着手し、製薬企業の翻訳コーパスデータを作成するなど「メディカルドキュメントの専門会社」に舵を切った。さらに、メディカルライティングも手がけるようになった。
これらも初めから十分な応需体制があったのではないという。時にクライアントと共に、繰り出される要求に一つひとつ応え、作り上げていった。
今年7月までの2年間の受託状況は、大手を中心に製薬企業・医療機器メーカーからの依頼が約7割を占め、リピートが多いという。
「たくさんの企業から受託するより、一つひとつの案件にしっかり対応して納品することが基本」「顧客の要求・要望に沿った柔軟な対応」と、安藤氏が強調する基本方針が、同社の柔軟なサービス体制を表している。
対象顧客についても「ターゲットよりマッチング」だと言い、「お客様の困ったところを解決するサービスを目指している」と話す。
その同社が謳うのは「高品質な翻訳の提供」。医学翻訳に精通した翻訳者による翻訳に、チェッカー2人がダブルチェックをかけて精度を高める体制は、同社の特徴の一つだ。体系的な教育研修プログラムも用意し、社員の能力アップにも余念がない。
翻訳手順は、翻訳品質を保証するための要求事項を定めた国際規格「ISO17100:2015」に沿って実施する。
翻訳支援ツールとしてCATツールを用いるほかに、業務が円滑に進むようWordのアドインツールやコーパスデータベースを社内構築して使用している。
翻訳案件としては、PMDA相談資料、試験成績報告書(非臨床・臨床)、治験実施計画書、治験薬概要書、安全性報告書等が多いが、最近は翻訳とメディカルライティングを連携させ、読み手の側に立った文書作成の要望が顧客より上がっているという。
例えば、治験実施計画書と患者同意説明文書をセットで依頼されるケースがある。治験実施計画書は翻訳部署で原文に忠実な翻訳を行うが、患者同意説明文書はそのまま翻訳しても日本の規制要件には合わない。そのためメディカルライティング部署が治験実施計画書の内容と擦り合わせながら作成することで、日本の規制要件に即した患者同意説明文書を作り上げることができる。申請関連文書でも、同様の余地はあるという。
安藤氏は、「お客様があってこその私たち。お客様目線でサービスを行うことが基本だ。提示された要求に応えられるよう、私たちは体制を柔軟に作ってきた。一つひとつが小さな仕事であっても、精一杯お客様のために取り組むことは、NASAの業務を受けて育んできた私たちのスタンス。満足いただけるものを納品し、リピートしていただく。その姿勢で各部門の担当者は日々努力してきており、今日に至っているのだと思っている」と、メッセージを送る。
ウィズウィグ
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